化学物質過敏症およびシックハウス症候群の病態解明と診断に有用な問診票の作成 | 化学物質過敏症 runのブログ

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https://kaken.nii.ac.jp/ja/report/KAKENHI-PROJECT-19510074/195100742007jisseki/
2007 年度 実績報告書
化学物質過敏症およびシックハウス症候群の病態解明と診断に有用な問診票の作成
研究課題

研究課題/領域番号    19510074
研究機関    尚絅学院大学
研究代表者
北條 祥子  尚絅学院大学, 総合人間科学部, 教授 (90005033)
研究分担者    吉野 博  東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30092373) 
坂部 貢  北里大学, 薬学部, 教授 (70162302) 
熊野 宏昭  東京大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (90280875)
キーワード    疫学 / 環境毒性学 / 化学物質過敏症 / シックハウス症候群 / 環境汚染と健康 / 化学物質の健康影響
研究概要    
日本のMCS診断基準および1999年USA合意の両方を満たすとして、3人のMCS専門医が一致してMCSと診断した患者106名のカルテを基に、患者の病態や他覚臨床検査結果などを解析し、その結果を、4つの学術論文として発表した。
本研究で明らかになったことをまとめると、以下の通りである。
1)自覚症状はQEESI(Quick Environment Exposure Sensitiviy Inventory)で評価し、米国の患者群と比較した。

2)患者の74.2%は女性であった。

3)年齢分布は男女で異なっており、男性は若年者が多い年齢分布を示したが、女性は幅広い年齢分布(10?65歳)を示した。

4)推定発症要因は新築やリフォームが最も多かった。

5)患者の84.0%はアレルギー疾患を有しており、本症とアレルギー疾患との密接な関係が示された。

6)日本の患者は米国の4つの患者群と比べ症状が軽かった。

7)他覚的検査(滑動性眼球追従運動、視空間周波数特性、瞳孔反応、神経反射)では、46.7%-85.8%で異常が認められ、MCS患者の多彩な自覚症状は高位の中枢神経系や自律神経系の機能異常に起因する可能性が強く示唆された。