・日本の洗濯機のフィルター性能は?
国内の洗濯機には、昔からのタテ型と新しいドラム式のどちらにも糸くずフィルターはついています。しかしマイクロプラスチック対策として十分だとは言えません。
タテ型の洗濯機に付属されている糸くずネットは、洗濯水が洗濯機の内槽と外槽の間を循環する間に糸くずを濾し取るためのものです。
ネットの目は細かいものの、洗濯終了後の水は、糸くずと一緒に排水されるため、洗濯排水のマイクロプラスチックを減らすには限界があります。
ドラム式洗濯機の糸くずフィルターは、海外製品と同様で目が粗く、プラスチックの突起がくし状になっているだけのものもあり、髪の毛くらいに長い繊維しか引っかからないでしょう。
そのためか、別売りで糸くずフィルターにかぶせるメッシュ状のフィルターも売られています。
タテ型、ドラム式どっちがましか? 判断が難しいですが、大きな差はなく大体同程度だというのがメーカーの話です。
排水パイプに付ける目の細かいフィルターが必要
洗濯機の排水から出るマイクロプラスチックを止めるには、構造上排水パイプに目の細かいフィルターをつけるのがベストです。
探してみたら日立などの洗濯機には、排水パイプに取り付ける「糸くずボックス」が別売りであることがわかりました。
しかし実際に使っている人の話では、やはりフィルターの目が粗く、マイクロプラスチックの流出を止めるには不十分なようです。
排水口が詰まるのを防ぐための商品なので仕方がないでしょう。
海外では同じ排水パイプに付けるフィルターで、マイクロプラスチックにも対応した目の細かい商品が出てきたようです*4。
日本でも技術的には可能なはずで、排水中のマイクロプラスチックを気にする消費者が増えていけば、メーカーも開発するはずです。
プラスチックの排出を減らす現状でできる対策
アメリカに拠点を置くプラスチックの海洋汚染問題に取り組む「プラスチック汚染連合」という団体が勧める、現状でできる対策*5のいくつかを抜粋してみました。
・化学繊維の洋服の洗濯回数を減らす
・できるだけ大量の衣類で洗濯する
(衣類の量が多いほど摩擦が減り、繊維くずの量も減る)
・液体せっけんを使う(粉末石けんの方が繊維を擦り、繊維くずが出やすい)
・低温の水を使う(水の温度が高い方が、衣類へのダメージが大きく、繊維くずが出やすい)
・すすぎの時の回転数を低くする・マイクプラスチックもとれる糸くずフィルターが装備されている洗濯機を購入する。
効果のほどは未確認なのですが、できる範囲で試してみてください。
*1 https://doi.org/10.1016/j.marpolbul.2016.09.025
*2 http://forums.whirlpool.net.au/archive/2435096
*3 https://www.youtube.com/watch?v=f9uS8_0-pWY
*4 http://www.septicsafe.com/filtrol-160-lint-filter-with-1-filter-bag/
*5 http://www.plasticpollutioncoalition.org/pft/2017/3/2/15-ways-to-stopmicrofiber-pollution-now