2:東京都受動喫煙防止条例案 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・条例案のポイント
?従業員を受動喫煙から守る
 受動喫煙を防ぎにくい立場である従業員を守るため、従業員を使用している飲食店においては、原則屋内禁煙とすることとされています。
?子どもを受動喫煙から守る
 健康影響を受けやすい子どもなど20歳未満の人を守るため、以下のような対策が謳われています。
? 幼稚園・保育所・小学校・中学校・高等学校においては、敷地内禁煙
? 喫煙可能な場所(喫煙室など)への子どもの立ち入り禁止
? 児童・生徒への禁煙教育(喫煙・受動喫煙の健康影響に関する教育)の徹底
対象となる施設と喫煙禁止場所の範囲
 多数の者が利用する施設等における喫煙が禁止されています(図3)。
?病院、児童福祉施設、行政機関等 敷地内禁煙(屋外喫煙場所設置可)。

ただし、幼稚園、保育所、小学校、中学校、高等学校等は、屋外喫煙場所設置不可。
?その他多数の者が利用する施設等
 原則屋内禁煙(喫煙専用室内のみで喫煙可。

加熱式たばこについては、指定たばこ専用喫煙室及び喫煙専用室での喫煙可)。ただし、従業員がいない飲食店等においては、屋内の全部又は一部の場所を喫煙することができる場所として定めることができる。
なお、条例案が適用された場合に規制対象となる飲食店は、約84%となることが想定されています。

 

喫煙場所の整備に対する支援
 事業者・区市町村が行う環境整備に対する整備を充実させることとされており、公衆喫煙所の整備又は改修のための区市町村への補助、飲食施設における喫煙室等の改修整備等のための事業者への補助の2点が示されています。
受動喫煙を防止するための措置(実効性の担保)
 条例の実効性を担保するための方法として、知事による行政処分、義務違反者に対する罰則(5万円以下の過料)が定められています。
ただし、加熱式たばこについて図3図4は、健康影響が明らかになるまでの間、行政処分や罰則は適用しないとされています。


条例の施行時期
 都や都民等の責務等については、条例成立後できるだけ速やかに、また、学校等での取組みや店頭表示ステッカーの義務化等については、2019年ラグビーワールドカップの前までに段階的に施行し、2020年オリンピック・パラリンピック開催前には、罰則適用も含め、全面的に施行する予定とされています(図4)。

 

おわりに
 受動喫煙が健康に与える悪影響については、科学的に明らかにされており、受動喫煙による健康への影響を未然に防止するための対策が求められます。
 特に、子どもについては、受動喫煙を自らの意思で避けることが難しく、また、受動喫煙による健康影響を受けやすいことから、子どもに対する対策は必要不可欠です。 

また、従業員については、受動喫煙を避けがたく、継続的に受動喫煙にさらされることからすると、従業員への対策も重要です。

条例案は、人に着目した対策をしており、健康増進法改正案よりも一歩進めていると言えます。
もっとも、加熱式たばこについての取扱いについては、条例骨子案から後退しており、受動喫煙を防止するには不十分であると考えます。

加熱式たばこについては、化学物質による悪影響が懸念されており、従業員と子どもを守るという条例案の制定目的からすれば、紙巻きたばこと同様の規制がされるべきであると考えます。