2:香害被害者を「障害者差別解消法」で守る自治体も出てきた | 化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 電磁波過敏症 シックスクール問題を中心としたブログです

テレビ報道ではほかに、北海道テレビの昨年9月以降の3本のニュース特集(今年6月28日放送の「菓子店で新たな取り組み」など)と、NHK仙台放送局のニュース特集「香りの苦しみ」(今年7月13日ローカル放送、8月10日全国放送)が、過敏症への理解を深める番組だった。

企業が意見広告で
香りつき商品は必要か?と問いかけ
 6月5日、『朝日新聞』と『毎日新聞』に目を見張るような全面広告が載った。

シャボン玉石けん(本社・北九州市)の1ページ全面を使った意見広告だ。

 紙面は、柔軟剤と思われるボトルから煙がもくもくと出ているイメージ画像が背景にある。

『日本に新しい公害が生まれています。その名は「香害」』と大きな活字。

その下に「(前略)エチケットのつもりでつけていたあなたの服の香りが、だれかの健康を奪っているかもしれない。そこまでして、香り付柔軟剤や香り付洗剤を使う必要はあるのか。

(中略)シャボン玉石けんは、あなたに問いたい」と続く。

 4日後の9日には両紙の朝刊に全面意見広告の第二弾が載った。

「学校がくさくて、(中略)みんなくさいふくをきて、学校に来てるから、ますます学校に行けなくて、こまってます」という小学生の手紙の写しがが掲げられ、「香害を知ってください」と大書されている。

 意見広告は大きな反響を呼び、ツイッターなどには「断固支持する!!」「強いメッセージを発してくれて、ありがとうございます」などの声が続いた。

この意見広告を議会での質問に使った地方議員も少なくない。
新聞記事では、『北海道新聞』生活部の岩内江平記者による「化学物質過敏症 誰もが発症の恐れ 救済急げ」(昨年6月25日)など5本の記事が、実態をよく伝えている(注1)。

(注1)9月に出版された『香りブームに異議あり』(ケイト・グレンヴィル著、鶴田由紀訳)と『シックスクール問題と対策』(加藤やすこ著)も、香害の理解を助ける。
前者は、香料で頭痛が起きるようになったオーストラリアの作家が、香料の危険性を徹底的に調べ、読みやすい文章で書きおろしたもの。やはり香害被害者である訳者は、あとがきで「被害者は声を上げよう」と呼びかけている。

家庭での香料使用に配慮を
教育長が保護者に要請
 こうしたメディアの報道などで香害に対する理解が広がる中で、学校現場や自治体で実効性のある取り組みも増えている。

 長野県安曇野市で今年7月下旬、市内の10小学校(児童総数約5000人)と7中学校(生徒総数約2700人)の保護者全員に、「香料についてのお願い」と題する教育長からの文書が配られた。

 文書は、近年、子どもたちが外界のさまざまな刺激に拒否反応を示し、学習に集中しにくい状況が生まれているが、香水・整髪料・柔軟剤・洗剤・シャンプー・制汗剤などに含まれる香料によって、頭痛・吐き気などの不快症状を訴える児童が出てきたことがその一つだと指摘する。

 学校では積極的に換気を行なうなどしているが、家庭での香料などの使用や来校のさいには配慮をお願いしたいという内容だった。