7:液体柔軟剤組成物及びその製造方法 | 化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 電磁波過敏症 シックスクール問題を中心としたブログです

[任意成分:防腐剤] 防腐剤は、主に長期保存中の防腐性を保つために使用し、具体的には、イソチアゾロン系の有機硫黄化合物、ベンズイソチアゾロン系の有機硫黄化合物、安息香酸類、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールなどが挙げられる。

イソチアゾロン系の有機硫黄化合物の例としては、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−ブチル−3−イソチアゾロン、2−ベンジル−3−イソチアゾロン、2−フェニル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4,5−ジクロロイソチアゾロン、5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、およびそれらの混合物があげられる。

より好ましい防腐・殺菌剤は、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの水溶性混合物であり、さらに好ましくは約77%の5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと約23%の2−メチル-4−イソチアゾリン−3−オンとの水溶性混合物である。

また、ベンズイソチアゾリン系の有機硫黄化合物の例としては、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オンなどがあげられ、類縁化合物としてジチオ−2,2−ビス(ベンズメチルアミド)なども使用できそれらを任意の混合比で使用することができる。このうち1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンが特に好ましい。

安息香酸類の例としては、安息香酸又はその塩、パラヒドロキシ安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸ベンジル等を挙げることができ、防腐剤の配合量は、組成物全体に対して、0.0001〜1質量%である。 

[任意成分:染料] 染料の添加は任意であり、添加するとしても特に限定されない。

染料を添加する場合は、添加の容易さから水溶性染料が好ましく、中でも酸性染料、直接染料から選ばれる水溶性染料の1種又は2種以上であることが好ましい。

添加できる染料の具体例は、例えば染料便覧(有機合成化学協会編,昭和45年7月20日発行,丸善(株))、染料ノート第22版((株)色染社)、法定色素ハンドブック(日本化粧品工業連合会編、1988年11月28日発行、(株)薬事日報社)等に記載されている。

染料の配合量は、組成物の全質量を基準として、好ましくは0.01〜50ppm、より好ましくは0.1〜30ppmとすることができる。

このような配合量とすることにより、液体柔軟剤組成物に着色された色が非常に薄くなるのを防止でき、着色効果を充分なものとすることができる一方で、液体柔軟剤組成物に着色された色が濃くなりすぎるのを防止できる。 

[任意成分:消泡剤、その他添加成分] その他の添加剤として、食塩、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、クエン酸ナトリウム等の水溶性塩、流動パラフィン、高級アルコールなどの油剤、尿素、炭化水素、非イオン性セルロース誘導体、紫外線吸収剤、後述するpH調整剤等が挙げられる。

[物性:pH、粘度]<pH> 本発明の仕上げ剤組成物のpHは特に限定されないが、保存経日に伴う(A)成分の分子中に含まれるエステル基の加水分解を抑制する目的で、pHを1〜6の範囲に調整することが好ましく、2〜4の範囲であることがより好ましい。

pH調整には、塩酸、硫酸、リン酸、アルキル硫酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等の短鎖アミン化合物、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属珪酸塩などのpH調整剤を用いることができる。<粘度> 本発明の柔軟剤組成物の粘度は1000mPa・s(B型粘度計、TOKIMEC社製、25℃、以下同様)未満であることが好ましい。保存経日による粘度上昇を考慮すると、配合直後の粘度は800mPa・s未満であるのがより好ましく、500mPa・s未満であるのがさらに好ましい。

このような範囲にあると、洗濯機への投入の際のハンドリング性等の使用性が良好であるので好ましい。

本発明の液体柔軟剤組成物の粘度をコントロールする目的で、無機又は有機の水溶性塩類を用いることができる。

具体的には、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、p−トルエンスルホン酸ナトリウム等を用いることができるが、中でも塩化カルシウム、塩化マグネシウムが好ましい。

これらの水溶性塩類は液体仕上げ剤組成物中に0〜1%程度配合でき、液体柔軟剤組成物製造のどの工程で配合しても構わない。 

[繊維製品への使用方法] 本発明の液体柔軟剤組成物の使用方法は特に限定されないが、例えば洗濯のすすぎの段階ですすぎ水に本発明の組成物を溶解させて処理を行ったり、たらいのような容器を用い本発明の組成物を水に溶解させ、更に衣料を入れて浸漬処理する方法があるが、その場合は適度な濃度に希釈して使用される。

その場合、浴比(繊維製品に対する処理液の重量比)は3〜100倍、特に5〜50倍であることが好ましい。

具体的には、柔軟処理を行う際は、全使用水量に対し、(A)成分の濃度が5ppm〜1000ppmとなるような量で使用するのが好ましく、さらに好ましくは10ppm〜300ppmとなるような量で使用される。 

本発明の液体柔軟剤組成物であって、下記工程(1)〜(4)を含む製造方法により調製することができる。

<工程(1)> 工程(1)は、A成分を40℃以上の温度に加熱し、油相を調製する工程である。

油相の調製は、(A)成分を溶融した状態で、他の油相成分と混合できればよく、例えば、ジャケット付きニーダーや、インラインミキサー等を用いることができる。

<工程(2)> 工程(2)は、工程(1)で得られた油相を40℃以上の温度で水に分散し乳化物を得る工程である。

本工程において、分散媒となる水には、必要に応じて防腐剤、抗菌剤、pH調整剤等を予め分散しておくことができる。

また、油相に加え、別途用意した油剤を添加してもよい。 

本工程は、例えば、混合装置として一般的な高剪断型の混合装置であるホモミキサーを用い、任意の温度とした水に油相を投入し、工程(1)で配合した陽イオン性界面活性剤の融点以上の温度に維持しながら混合することにより乳化物を得る方法が挙げられる。 

また、混合装置としてパドル翼、プロペラ羽根等を備えた低剪断型の混合装置を用い、水を工程(1)で配合した温度以上に維持しながら撹拌し、油相を滴下し混合することにより乳化物を得る方法が挙げられる。 

又、例えば、ホモミキサー、ウルトラミキサー、フィルミックス、クレアミックス等のバッチ式混合装置、マイルダー、ラインミキサー等の連続式混合装置等の高剪断型の混合装置、プロペラ羽根、パドル翼、アンカー翼、ディスクタービン翼、傾斜タービン翼、ファンタービン翼等を備えたバッチ式の低剪断型の混合装置を用いることができる。 

本工程における混合装置の運転条件は、特に限定されないが、例えば、乳化物中の油相の粒子の粒子径が、好ましくは1000nm以下、より好ましくは500nm以下、さらに好ましくは250nm以下となるように剪断速度等を調節する。

なお、粒子径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−920、株式会社堀場製作所製)を用い、25℃、相対屈折率1.08にて、体積基準のメディアン径(d50)により測定される値である。

 本工程において、油相と水との混合比は特に限定されないが、油相/水(質量比)が、好ましくは0.01〜0.50、より好ましくは0.05〜0.40とされる。

このような条件を採用すると、得られる水中油型乳化物に所望する機能を付与でき、得られる水中油型乳化物の貯蔵安定性が向上する。 

なお、工程(2)においては、配合する水の一部を第一水相、残部を第二水相に分割し、任意の温度とした第一水相に、工程(1)で調製した油相を投入し、乳化した後に第二水相を投入することができる。

香料以外の油剤を多量に配合する場合には、水を一括で添加するよりも、水を分割して添加する方が、粒子状態の良好な水中油型乳化物が得られる。

水の分割割合は特に限定されないが、例えば、第一水相の量は、好ましくは第一水相/油相(質量比)=0.5〜1.5、より好ましくは第一水相/油相(質量比)=0.7〜1.2とされる。

このような条件を採用すると、得られる乳化物の流動性が適度なものとなり、油剤の乳化状態がより良好となる。 

本工程における温度条件は、40℃以上であれば特に限定されないが、好ましくは油相構成成分の融点より10℃以上高い温度とされる。

また、本工程における温度条件の上限は、油相に含まれる陽イオン性界面活性剤の種類や非イオン性界面活性剤の種類等を勘案して決定でき、例えば、好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃以下、さらに好ましくは70℃以下とされる。

100℃超とすると、配合成分の熱分解により、水中油型乳化物の粘度が上昇したり、香気の劣化を生じるおそれがある。

<工程(3)> 工程(3)は、工程(2)で得られた乳化物を40℃未満の温度に冷却する工程である。本工程で冷却された乳化物の温度は、40℃未満であれば特に限定されないが、好ましくは35℃以下、より好ましくは30℃以下である。

また、本工程で冷却された乳化物の温度の下限は、特に限定されないが、好ましくは0℃以上、より好ましくは10℃以上とされる。 

乳化物の冷却は、乳化物を40℃未満に冷却できるものであれば特に限定されず、例えば、工程(2)で用いた混合装置を水冷又は空冷する方法が挙げられる。

<工程(4)> 工程(4)は、工程(3)で冷却した乳化物と非水溶性香料とを特定の剪断速度及び循環回数で混合し、乳化物に(B)成分の非水溶性香料を分散・乳化し、水中油型乳化物を得る工程である。 

本工程における混合装置は、工程(2)における混合装置と同様である。 

本工程に用いる混合装置の例について、以下に図面を用いて説明する。

図1は、混合装置の一例を示すバッチ式混合装置1の模式図である。

バッチ式混合装置1は、撹拌槽10と、撹拌槽10の内面12を掻き取る略U字状のスクレーパー翼31に攪拌槽10の中心方向に突出する突出翼32が設けられた壁面掻取翼30と、攪拌槽10の略中心に上下方向に延びる攪拌軸22と、該攪拌軸22から内面12に向かって突設された攪拌翼20とで概略構成されている。 

このバッチ式混合装置1においては、攪拌槽10内に混合の対象とする原料を供給し、撹拌翼20及び壁面掻取翼30を回転させることで、供給された原料は、内面12と攪拌翼20との間で生じる剪断力を受けながら混合される。 

このようなバッチ式混合装置としては、アジホモミキサー(株式会社エヌ・ピー・ラボ製)、ロボミクスホモミキサー(プライミクス株式会社製)、クレアミックス(エム・テクニック株式会社製)等が挙げられる。 

また、本工程には、図2に示すような連続式混合装置100を用いることができる。

連続式混合装置100は、略円筒状のハウジング110と、攪拌翼122を供えるローター120と、ローター120をその回転軸回りに離間して覆うステーター130とで概略構成されている。 

この連続式混合装置100においては、ローター120を回転させながら吸入口112からハウジング110内に乳化物と非水溶性香料とを混合した流体を供給することで、供給された流体は攪拌翼122とステーター130の内面132との間で生じる剪断力を受けながら混合され、水中油型乳化物となる。そして、水中油型乳化物は、排出口114から装置外へ排出される。 

このような連続式混合装置としては、マイルダー(太平洋機工株式会社製)、ラインホモミキサー(プライミクス株式会社製)等が挙げられる。 

本工程における剪断速度は、1,000sec-1以上であり、好ましくは5,000sec-1以上、より好ましくは25,000sec-1以上である。

この範囲の剪断速度を採用すると、非水溶性香料の分散が良好で、得られる水中油型乳化物の貯蔵安定性と香気品質が優れたものとなる。

また、剪断速度が速いほど、非水溶性香料の粒径は小さくかつ均一になるが、剪断速度の上限は、例えば、1,000,000sec-1以下とされる。

剪断速度を1,000,000sec-1超としても、非水溶性香料の分散性向上の効果が飽和すると共に、剪断速度を1,000,000sec-1超とするためには混合装置の高度な調整が必要とされ、作業が煩雑である。