・https://doi.org/10.15036/arerugi.51.259_1
シッ クハ ウス症候群 ・化学 物質過敏症の 臨床的検討
渡辺一彦D 飯 倉洋治2）
（渡辺 一彦小児 科医院 1） 昭和大学小 児科2｝）
〈 目的〉 近 年建物や 生 活環境 由来の 化 学物質 に よると思 われ る健康被害，ア レル ギ ー疾患が増加 して い るの で ，医 院 に おい て その 実態を調査 した．
〈方法〉 受診した患 者につ い て新築，リフォーム 等の 生 活環境を問診し，他の 増 悪要因を除外 し得， かつ 様々 な対 策によっ て 環境 を改善し，症状の 軽 減を得られ た 症例をシッ クハ ウス 症候群 ・化学物質過敏症 と診 断し，経過観察 した．
＜結果＞ 2001 年 3 月〜12 月の 期 間に U4 例 を得た．15歳 未満 の 小 児 は 67 例 で ，15 歳 〜は 34 例 ，40 歳 〜は 13例 であっ た．
小児期で はアトピー性 皮膚炎の 発症 増 悪を主訴とするの が 47 例で ，喘息 ・頑固な咳の 発症 ・増 悪は 13例 ， 眼 ・鼻 ・喉 の 粘 膜 刺 激 症 状 が 2 例 ，い わ ゆる多 種 性 化 学物 質過 敏症が 4 例 で あっ た ．
15 歳以 上 で は ア トピー性皮 膚炎，喘息の 増悪例もあるが ，粘膜刺激症状は 18 例，多種性化学 物 質過 敏症が 10 例 で小 児 とは異なっ た結 果 で あっ た．
年齢を問わず ， 自宅の新 築 リフォーム が圧 倒 的 に多く， 一部に園や 学校の 新 築，身の 回りの 化粧 品，線香， スプ レー剤，防虫剤 ，ペ ン キ ，ワッ クス 等が 誘発 物 質として 挙げ られ た．
〈 結論〉 生活環境の 化学物質によっ てア レル ギー疾患 の 発 症 ・増悪 が 認められた症例 があり，日常外来におい ては 問診 を重視し，化 学物質の 関与を積極的に検討する必 要が ある，