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大気汚染の厄介者「PM2.5」 なぜ2.5? なぜ中途半端な数値なの?
北海道文化放送
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2018年11月5日 月曜 午後9:00
きょう(5日)の札幌市内、空がかすんでいるなと感じた方も多いのではないでしょうか?
原因は、大陸から流れ込んだ大気汚染物質PM2.5。
環境基準は下回ったものの、濃度がやや高く、北海道内の広い範囲で見通しが悪くなりました。
大気汚染を表す厄介者としてすっかりお馴染みのPM2.5、でも、なぜ"2.5"という中途半端な数字を使うのでしょうか?
実はこの"2.5"、ただの数字ではなく、"2.5マイクロメートル"のことを表しています。
PM2.5は"大気中に浮遊している、粒の大きさが2.5マイクロメートル以下の微粒子"を指す言葉です(注1)。
2.5マイクロメートルは髪の毛の太さの30分の1程度、PM2.5は目に見えないほどの小さい粒子を表しているんですね。
単位が分かったところで次の疑問が湧いてきます。
なぜ2.5マイクロメートルという中途半端なサイズを使うのでしょうか?
これは、2.5マイクロメートル以下の微粒子になると人間の肺の奥まで入り込んでしまい、呼吸器や循環器などの病気に悪影響を及ぼすと考えられています。
つまり、"体の中から健康に悪影響を及ぼすサイズの微粒子"としてPM2.5を使っているんですね。
目に見えないほどの小さい粒子ですから、マスクなどでは防ぎきることができません。
PM2.5の濃度が高いと予想されている時、特に呼吸器などに疾患のある方は外出を極力控えた方が良さそうです。
<注1>
PM2.5は粒の大きさが2.5マイクロメートル以下と書きましたが、厳密には空気動力学径という計測方法で2.5マイクロメートル以下となった粒子を指しています。
目に見えないほど小さい粒子なのでつまんで大きさを測ることができないため、空気の流れを利用して微粒子を分離する方法を使っているそうです。
この基準だと実際の大きさが2.5マイクロメートル以上の粒子も、何割か入っているのだとか。PM2.5、意外と奥が深いです。
(気象予報士 佐藤俊和)