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「化学物質過敏症」知って 10、11日に熊本市で患者らイベント
啓発イベントについて話し合う「くまもとCSの会」の会員ら=熊本市中央区
柔軟剤や消臭スプレーなどが原因で、頭痛や息苦しさを覚える「化学物質過敏症(CS)」。
県内の当事者グループが10、11日の両日、熊本市中央区で啓発イベントに取り組む。
当事者らは「症状や化学物質の影響を知ってほしい」と話している。
支援に取り組むNPO法人「化学物質過敏症支援センター」(横浜市)によると、CSは香料や洗剤、建築資材などに含まれる、ごく微量の化学物質に過敏に反応し症状が出る。
頭痛やめまい、吐き気、思考力の低下など、症状の個人差が大きい。
一般の人は症状が出ないため、当事者は苦しみが分かってもらえず、当事者自身も原因が分からないことも多いという。
県内の当事者ら約20人は2015年4月、「くまもとCSの会」を結成。
会員で高森町の設計士巻京子さん(65)は長年、現場で塗料を扱った結果、頭痛が始まり、目がチカチカするようになったという。
熊本市南区の主婦吉永由紀子さん(63)は9年前、原因不明の頭痛や倦怠[けんたい]感に襲われた。「病院に3年間通っても原因が分からなかった」と話す。
県内には専門医がおらず受診は関東や関西に行く必要があるが、飛行機や新幹線に乗れない当事者も多い。
同市北区の50代の主婦は5年前に発症。
安全なマイカーから1歩も出ず、車中泊をしながら大阪市の専門医を受診したという。
使える日用品や服が限られ、周囲からは「精神的な問題」と片付けられるなど、苦しみは深い。主婦は「化学物質にさらされ続ける、これからの子どもたちが心配」と訴える。
グループは昨年、熊本市中央区黒髪の市男女共同参画センターはあもにいであった「はあもにいフェスタ」に啓発ブースを初出展。
今年も準備を進めている。
イベントは10、11日の午前10~午後4時。
症状や原因を伝えるパネルなどのほか、無農薬のコーヒーや野菜も販売する。
同会ホームページ、もしくはTEL050(5532)6119。(林田賢一郎)
(2018年11月4日付 熊本日日新聞朝刊掲載)