記
1.香料の健康影響に関する啓発や香料の規制に必要な調査・研究を行ってください。
その際、どのような観点からの規制が必要かなどを検討しながら、様々なアプローチを考え、以下のような調査・研究やその他必要な調査・研究を行ってください。
(1)香料暴露による健康被害の実態を調査してください。柔軟仕上げ剤以外の香料製品による健康被害の訴えについても現状を把握し、柔軟仕上げ剤と同じような配慮を求めることができるよう、今ある健康被害の訴えのデータを整理分析するとともに、医療機関でのアンケート調査や、文科省と協力して、香料含有製品のにおいや香りによる健康被害の有無や症状の内容や程度等について児童生徒へのアンケート調査を実施するなど、実態把握のための調査を行ってください。
(2)芳香剤、洗剤、柔軟剤、シャンプー等香料含有製品の香料含有率やにおいの強さの上限を設けるために必要な調査・研究を行ってください。
毒性については、香料が多数の香料物質から調合されるため、個別の香料成分の毒性および、調合香料の毒性を調査・研究してください。
また、国内・海外文献の収集整理や新たな研究の実施等、特に吸入毒性についての調査・研究を充実させてください。
毒性試験だけでなく、その製品の使用方法によって異なる、例えば、TVOC の室内濃度暫定目標値や、悪臭防止法で採用されている臭気指数を基にした敷地境界線上のにおいの強さについての規制基準値等を参考にするなど、規制方法に関する様々なアプローチについて検討して、香料や、製品のにおいの強さに関する規制の為に必要な調査・研究を行ってください。
また、分解の遅い香料物質や残香性を高める成分についても規制できるよう必要な調査・研究をしてください。
(3)EU 化粧品規則(EC) No.1223/2009 5) にある香料物質に関する規制で、製品ラベルへの表示の義務付けや、製品中の配合率の上限が設定された香料や配合禁止と指定された香料など 6), 7)、化粧品やパーソナルケア製品等の製品中におけるアレルゲン香料について規制できるよう、必要な調査・研究を行ってください。その際、ガス状や浮遊微粒子状のエアボーンアレルゲンとしての作用について検証するような調査・研究を行ってください。
(4)シックハウス問題検討会で香料を重要なVOC 発生源として継続して検討を行い、香料物質について室内濃度指針値を設定することができるよう、必要な調査・研究を行ってください。
(5)アロマテラピーを医療行為として位置づけ、アロマ商品を雑貨として安易に販売、使用させないように規制できるよう、必要な調査・研究を行ってください。
(6)香料の健康影響について、EU がウェブサイトに掲載している一般向けの香料アレルゲンに関する啓発ページ8)-10)やカナダ職業衛生安全センターが勧めている職場の無香料方針の啓発ページやポスター11)-17)、カナダ肺協会の香料の健康影響の啓発ページや職場の無香料方針の啓発ビデオなど18)-22)、今すぐに活用できる情報を参考にして、リーフレットやビデオ等啓発用資料の作製やウェブサイトでの啓発が行えるよう、また、職場での香料自粛の奨励や啓発についてもカナダ政府と同様の取り組みが行えるように、必要な情報収集や調査・研究を至急行ってください。
2.以下の内容について、各自治体の保育園及び病院、福祉施設所管部署にご指導ください。その際、基準またはポスター案などの参考を例示してください。
(1)保育園、病院、福祉施設で働く職員等関係者や施設利用者、来訪者、保育園児や児童福祉施設等を利用する子どもたちおよび保護者等に、強い香りの着香製品の使用を自粛するように呼びかけてください。
その際、化学物質過敏症やアレルギー、喘息、咳喘息、偏頭痛、抗がん剤治療中の方や妊婦など、香料によって症状を誘発される人がいること、アレルギーや喘息の発症者が増えていることや、保育園や病院、福祉施設等は強い香りの香粧品をつけてくるような場所ではないことなど理由についても啓発してください。
なお、病院においては、職員の服務規定により、香水や衣類用芳香剤等主に着香を目的とする製品の使用を禁止し、化粧品や整髪料、制汗剤、着衣の洗濯用洗剤等についても原則として無香料の製品を使用することとしてください。
(2)添付資料のポスター要望案(各施設共通イメージポスター、病院・福祉施設用、保育園・児童福祉施設等保護者向けチラシ兼用)23-25)をもとに「香料自粛のお願い」のポスターを作成し、当該施設の出入口付近、玄関、建物内の掲示板や行事案内立て看板等に掲示して関係者に啓発をはかるとともに、保育園や児童福祉施設では、年度初めにポスターの内容をチラシ(ポスター縮小版)として保護者に配布し、行事等の案内文書に来園時の注意事項として香料自粛の配慮を求める文を記載してください。
なお、病院や福祉施設では、入院患者や入所者に対する「入院・入所に際しての案内」等に、注意事項として香料自粛の配慮を求める文を明記してください。
(3)都道府県および市町村の保育園、病院、福祉施設所管課や関係施設のホームページを通じて、関係施設における香料自粛について啓発してください。
(4)保育園、病院、福祉施設では、芳香剤や、清掃業務において香料を含む製品を使用しないでください。手洗い石鹸や、シーツ等寝具やカーテンなどの洗濯用洗剤等も無香料の製品を使用してください。
また、売店のある病院、福祉施設では、石鹸や洗濯洗剤など、香りの強い製品は販売せず、無香料の製品を取り扱ってください。
(5)建物内に香料臭が充満することがないよう、普段から空気質に配慮し、冷暖房の使用中も換気に留意するなど、毎日の換気を徹底してください。
また、職員等にも、換気をしない場合の室内空気汚染のリスクや換気の必要性等の情報を伝えて、季節を問わず換気の励行を呼びかけてください。
(6)病院、福祉施設等において、アロマディフューザー等を使用しないでください。
治療目的でアロマを使用する場合は、他に影響を及ぼさない限られた空間でのみ使用してください。
3.香料・着香商品メーカーに対し、ウェブサイトやテレビCM、商品ラベル等での注意表示や啓発活動など、国民生活センターが柔軟仕上げ剤に関して要望した「においが与える周囲への影響について配慮を促すような取り組み」が着実に実践されるよう、取り組みが不十分なメーカーに対して指導してください。また、店頭販売での香りサンプルの展示の仕方など、メーカー自身が「においが与える周囲への影響について配慮する」よう指導してください。
以上
runより:個人的にアロマに強く反応しますが十人十色の化学物質過敏症なので効く事も多いから賛成します。