コンビニ惣菜やレトルト食品、体内にリン過剰の危険…腎臓結石やホルモン&骨異常の恐れ | 化学物質過敏症 runのブログ

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2017.06.03
 連載
南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

コンビニ惣菜やレトルト食品、体内にリン過剰の危険…腎臓結石やホルモン&骨異常の恐れ

「日本人はミネラル不足だ」という意見を、よく見聞きします。

しかし、本当にそうなのでしょうか。

筆者は、「もしかして、サプリメントを売りたい人たちの一方的な見方なのではないか」と疑問を持っています。

 まともな食事をしていれば、深刻なミネラル不足に陥ることは考えられませんが、まともな食事をしていない人が圧倒的に多いので、統計的に見れば、日本人はミネラル不足ということになるのでしょう。

 では、「まともな食事」とは、どのような食事なのでしょうか。
そこで、一目瞭然に「まともな食事とはこれだ」とわかる方法はないのかと考えた末に、行きついてようやく完成させたのが「オプティマルフードピラミッド」です。

オプティマルフードピラミッドは、そこに示される比率が守られていれば、ミネラルをはじめとして栄養素の不足が起きないというわけではなく、いくつかの条件を満たさなければなりません。
 そのうちのひとつは、野菜の品質です。

野菜については、拙著『じつは危ない野菜』(ワニブックスPLUS新書)をお読みいただくのが一番わかりやすいと思いますが、要は農薬や化学肥料を多用したものではなく、できるだけ自然に近い生育状態で育てられた、健康な野菜が望ましいです。

健康な野菜には、言うまでもなくミネラル分がたっぷり含まれており、オプティマルフードピラミッドで示しているように、食事全体の40%をそのような野菜で占めていればミネラル不足など起こりようがないということは明確な事実です。

ミネラル不足の原因は加工食品
 しかし、現代日本の食生活は、私たち国民の多くがミネラル不足になってしまうような問題を孕んでいるわけで、そのことを考えずにミネラルを補っても、ザルで水をすくうような状況です。

その問題点はどこにあるのでしょうか。

それは、加工食品です。
 加工食品といっても、味噌や醤油など伝統的な製法によってつくられている加工食品には、なんの問題もありません。

むしろ、積極的に摂るべき食品といえます。

筆者が問題視しているのは、工業製品化された加工食品です。

両者は、同じ加工食品とはいっても、雲泥の差、天と地ほどの違いがあります。

 私たちの食卓を支えているスーパーマーケットや、コンビニエンスストア、ファストフード店、ファミリーレストランなどで提供されている食品をはじめ、インスタント食品、レトルト食品、冷凍食品などのほとんどは、工業製品化された加工食品です。

スナック菓子や菓子パンなども同様です。

これらの食品は、製造過程において原材料としての食材が持っているミネラル分が失われています。

 現在、日本人の多くが、そのような工業製品化された加工食品に頼った食生活を送っているのではないでしょうか。それは、当然の結果としてミネラル不足にもなるでしょう。

 私たちの体は本来、ミネラルのバランスが崩れてしまった場合、補うためにミネラルに対する欲求が高まります。

しかし、現代日本の食生活では、不足を補いきれません。

なぜならば、そもそもミネラルバランスが崩れた工業製品的加工食品があふれているからです。

申し訳程度に食べる野菜料理では、とうていミネラル不足を補うことは不可能です。

さらに事態を悪化させているのは、ほとんどの工業製品的加工食品には、リンというミネラルが多量に含まれていることです。

「リン酸塩」は、品質改良剤、結着材として使われることが多いのですが、ハムやソーセージなどの肉加工品の保水性を高めるためにも大量に添加されています。

ビタミンCの分解防止や、合成着色料の退色・変色防止のためにも使われます。

マーガリンやマヨネーズなど乳化した食品の安定剤としても広く用いられています。

コンビニのおにぎりや弁当、お菓子や炭酸飲料など、ありとあらゆる工業製品的加工食品に入っています。

さらに、メタリン酸や、ピロリン酸、ポリリン酸などの食品添加物にも、リンが多く含まれています。
 そういう食品を日常的に食べ続けていると、体内でリンが過剰になります。リンは体内でカルシウムと拮抗関係を保っていますが、その理想的な割合は、リン対カルシウムが1対1から、2対1と考えられています。その対比が崩れてリンが過剰になると、さまざまな体調の変化となって表れます。腎臓機能の低下、腎臓結石をつくる、体内でカルシウム不足や鉄分不足を起こす、副甲状腺ホルモンの分泌異常、骨の形成異常などが代表的な例です。

工業製品的加工食品をやめればミネラル不足から脱却できる
 筆者が常々、提唱しているのは、工業製品的加工食品ばかりを食べて、ミネラル不足になり、対処法的にサプリメントで補うなどという愚行を繰り返すより、まともな食事に切り替えたほうが手っ取り早いし、経費も掛からないということです。

しかし、なぜか取り組む人が少ないのが実情です。

おそらく、それを「面倒なこと」と思い込んでいるためだと思われますが、そんなことはありません。

健康的な食生活を送るための料理が、まったく面倒でないことは、やってみればすぐにわかります。

 そして、筆者の勧めで、これまでの食生活を変える方が増えてきているのは、たいへんうれしく心強いです。

ファストフードやコンビニの弁当がなければ生きていけないなどと考えず、食生活の改善に取り組んでみてください。

思いもよらなかった世界が開けることでしょう。

 一日も早く、多くの賢明な日本人が、自分や家族のために料理に取り組み、食生活を良い方向に転換することを願ってやみません。

その第一歩が、工業製品的加工食品を食べないという具体的な行動です。

 日本はもともと優れた食習慣、食文化を築き、伝承してきた民族です。

そのことにお気づきになった方は、自分が正しい食生活を実践したのち、今度はそれを伝える側に回っていただきたいと思う次第です。

そういう方が増えていけば、日常的に工業製品的加工食品に頼った食生活から抜け出し、同時にミネラル不足から脱却する日本人が増えることになるでしょう。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)