なお、思わぬ原価も明らかになった。
『Prologue 異食対談 安けりゃいいってもんじゃない!』では、カイゼンと流通改革で低価格を実現、1000店舗を運営する「サイゼリヤ」の正垣泰彦・サイゼリヤ会長と、異常な原価率の高さが人気の「俺のイタリアン」の経営者坂本孝・俺の株式会社社長の対談が掲載されているのだが、「俺のフレンチの看板メニュー、牛ヒレ肉とフォアグラのロッシーニ。1344円だが、なんと原価割れしているという」と紹介されている。
一方、ページをめくると、ワタミが原価を上げた豪華メニューで展開する新業態Baru& Dining GOHANの紹介文を読むと「なんと、『牛フィレ肉とフォアグラのロッシーニ風』というメニューは1669円で、原価率が80%を超えている。価格は居酒屋業態では考えられない高値で、原価率も業界平均が30%だから倍以上だ」という。
俺のフレンチの看板メニュー、牛ヒレ肉とフォアグラのロッシーニは1344円で原価割れ。GOHANの牛フィレ肉とフォアグラのロッシーニ風は1669円で、原価率が80%超え。
……この2つから推測すると牛ヒレ肉とフォアグラのロッシーニの原価は1335~1344円といったところになる。
『特集Part 2 長期動向 加速する高齢化・成熟化』では、量より質で単価アップが見込めるように、低価格重視の男性層から女性・中高年層へのシフトが始まっているという。
コンビニ利用客も3割が50歳以上で健康志向が進んでいる。
今回の特集で必読は『PBを知れば企業がわかる 本邦初! 安心度ランキング』だ。
大手流通各社によるプライベートブランド(PB)の普及が進んでいる。
各社の安全・安心への取り組みはどこまで進んでいるのか。
食の専門家は「PBを見れば企業の姿勢がよくわかる」という。
そこで、今回は添加物を多く含むハンバーグ、ハム、漬物、カップ麺、洋風スイーツの成分をもとに格付けを行なっている。
安全性の高いランキングでは1位が日本生活協同組合連合会(生協)、2位はセブン&アイとイオン、西友の3社、5位はユニー、最下位の6位はローソン、ファミリーマートという結果になった。
最下位のローソンは専門家から「すべての商品で添加物を減らそうという意図がまったくないように感じられる。
スイーツで人工甘味料を使っているのはローソンだけ。
「セレクトとかプレミアムという言葉にふさわしくない」とサンザンの評価なのだ。
安全性が高いと評価を受けた生協やセブン&アイでも、置いてある商品によっては注意が必要だ。
たとえば、セブンプレミアムデミグラスソースハンバーグは、カルシウムの抑制効果のある「リン酸塩」が使われているが、セブンイレブンは2007年にリン酸塩の未添加に取り組むと公表していたはず。
また、セブンプレミアムしょうゆヌードルは「添加物が非常に多く胃部不快感(胃が張る、痛む、もたれる、重くなるなど)の症状を引き起こす心配がある」という。
食事をとったあとに、体調が悪くなる……(現に私もあるときから、ハンバーグは胃部不快感が激しく、食べることができなくなった)心当たりのある人は、食品添加物の影響かもしれない。
食の安全がますます求められるようになったのだ。
(文=松井克明/CF)