におい”シンポ 報告 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出典:ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議
http://kokumin-kaigi.org/wp-content/uploads/2016/08/JEPA-news-098.pdf

・香料被害者たちの高まる声を受け、国民会議では、シンポジウム『においブームの落とし穴 香料や柔軟剤、広がる“香害”の原因はどこに?』を開催。

香料に含まれる化学物質の危険性や被害者の深刻な現実を知ることができました。
 

“におい”シンポを開催して
 若い女性に人気があるアロマ、洗濯洗剤と一緒に使う柔軟剤など、最近のにおいブームは過熱し、何にでも香りを添加する傾向がエスカレートしています。

2016年3月12日に東京・神田で開催されたシンポジウム『においブームの落とし穴 香料や柔軟剤、広がる“香害”の原因はどこに?』には90人を超える参加者があり、盛況な集会となりました。床に座る人、立ったままの人、長野県や京都から駆けつけた人もいて、香料や柔軟剤のにおいが多くの人にとって耐え難い問題となっている現状が感じられました。

このシンポはこうした被害者たちの高まる声を受けて開催されたものです。
 香料・柔軟剤などによる健康被害は年々深刻になっており、2013年、国民生活センターが調査した柔軟剤被害(事故事例報告件数)の数は450件を超え、その他にアロマなどの被害を合わせると相当の数に上りました。

しかし、今のところ、原因物質が特定されたわけでもなく、具体的対策もなされていません。
 

シンポ講演と被害者報告
シンポジウムでは、まず第一番目の演者、元国立環境研究所の安原先生に、基本的なにおいと化学物質についてのお話を伺いました。

同じにおいでも心地よいと感じる人がいる一方で、苦しいと感じる人が存在します。

香料成分によっては、快適なにおいと感じられるものであっても、人体に有害なこともあり、一方で、悪臭物質のように不快なにおいでも有害とは言えないこともあるとのことでした。

におい問題は複雑で難しいだけでなく、個人の感受性の違いが大きく影響していることがよくわかりました。

また、「人間の臭覚は疲労しやすい欠点をもっている」というお話からは、現在、においに敏感な人が柔軟剤の被害をいくら訴えても、柔軟剤を多用するため「臭覚疲労」に陥っている人たちにはその苦しみが理解できずに、被害が拡大しているように感じられました。
 第二番目の名城大学の神野透人先生は、厚生労働省のシックハウス問題の検討委員もされており、室内で揮発する化学物質、とくに柔軟剤の問題についてお話しいただきました。 

明らかに柔軟剤の揮発成分には気道刺激性のものがあり、神経系に悪影響があるとのご指摘でした。
 最初の着香製品の被害者からの報告では、学校においても着香製品で被害を受ける子どもたちが存在し、教育現場でもにおい問題が深刻になってきている現実がわかりました。

また、もう一人の被害者は、NPO 法人 VOC 研究会との調査研究により簡易測定器(ケムキー)を使って、市販の柔軟剤からイソシアネートという毒性物質を検出したと報告しました。
それぞれの発表者の報告内容を4~9頁に掲載していますので、ぜひお読みください。
 国民生活センターではまだ、柔軟剤被害の原因究明の取り組みは進んでないようですが、従来におい被害の原因として想定されてきたのは、いわゆる①香料成分による被害でした。

それと同時に②柔軟剤に含まれる成分、とくに除菌成分の問題は無視できません。

除菌成分については、JEPAニュース97号にてご紹介した陽イオン界面活性剤の第4級アンモニウム塩が問題です。

それについては、生殖毒性などの環境ホルモン作用が疑われていますので、生活空間での除菌・消臭スプレーの使用には注意が必要であると考えられます。
そして、市民団体の調査や研究により第三の新しい問題が見えてきました。

柔軟剤の多くの添加物の中でも、アロマカプセルの合成樹脂などに含まれるイソシアネートの問題です。

まだ知られていないこの物質について、以下簡単にご紹介します。