・出典:ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議
ニュースレター103号
http://kokumin-kaigi.org/?page_id=159
・定期的な薬剤散布をしていない鉄道・バスは? ―鉄道・バス車両における殺虫剤・殺菌剤散布状況アンケート調査
事務局・ジャーナリスト 植田武智
国民会議では2017年4月に全国の主な鉄道事業者30社(バスを含む)に対して、車両での定期的な殺虫剤・殺菌剤散布の状況についてアンケート調査を行ったその結果、定期的な散布をしていない事業者が13社あることが分かった。
2006年の業界の調査では6事業者だったので、この11年で2倍以上に増えたことになる。
アンケートを送った鉄道事業者の一覧は以下の通り。
【JR6社】 北海道、東日本 東海 西日本 四国 九州
【私鉄16社】 東京地下鉄(東京メトロ) 東武鉄道 西武鉄道 京成電鉄 京王電鉄 小田急電鉄 東京急行電鉄 京浜急行電鉄 相模鉄道 名古屋鉄道 近畿日本鉄道 南海電気鉄道 京阪電気鉄道 阪急電鉄 阪神電気鉄道、西日本鉄道
【公営交通8局(市電・地下鉄・バスなど)】札幌市交通局 仙台市交通局 東京都交通局 名古屋市交通局 京都市交通局 大阪市交通局 神戸市交通局 福岡市交通局定期的散布をしていないのは13事業者
全事業者から回答があり、定期的散布を実施していないところが13事業者、実施しているところが19事業者となった。
その内訳が図1である(注:東京都交通局と神戸市交通局では、地下鉄・鉄道では実施していないが、バス車両で実施しているので別々にカウントし全体で32事業者になった)。
地域別にみると、散布していない事業者は、北海道では札幌市地下鉄・路面電車。
関東では、東京地下鉄、都営地下鉄、京王、相模鉄道の4社だけ。中部地域で名鉄、名古屋市地下鉄・バス。
関西が、阪急、京阪、阪神、大阪市地下鉄・バス、神戸市地下鉄。
九州が西鉄。
比較すると関東の私鉄は少なく、関西の私鉄に多い傾向が見受けられた。
定期的散布をしていない理由として、名鉄は「清掃業務効率化のため、散布していません」と回答。
また阪神は「2017年3月まで、座席下周りに薬剤散布を行なっていましたが、近年、清掃業務の管理・体制を強化したことで、本年4月から散布しないこととしました」とのこと。
清掃を効率化することで、定期的な薬剤散布を止めることができた例と言える。
西鉄は、「ゴキブリ・クモなどが見つかった場合のみ使用」、京阪は、「嘔吐物等の処理に関してのみ殺菌剤(第四級アンモニウム塩と次亜塩素酸ナトリウム)を使用」と回答。必要最低限にしている工夫が読み取れる。
ワーストワンは20日に1回の東急電鉄
一方、定期的散布をしている19事業者での散布の頻度の回答が図2である。一番多かったのがワースト1位の東急電鉄で、20日に1回。
ワースト2位は JR 四国で、毎月と年3回。年12回(月1回)というのが一番多く6社局。最も少ないのが年2回であった。