・農薬に関して
以上の中で農薬に関して注意すべき項目は次の2つである。
・農薬による水汚染に関する圧力は削除され、1990-2003年の農薬使用は27%減少している
・農薬や肥料使用、栄養過剰の数値はOECD標準よりも高い
・農薬による水汚染に関する圧力は削除され、1990-2003年の農薬使用は27%減少している[この図は本文末にある]
「この期間の農薬使用の減少は、恐らく作物生産量の19%の減少と有機農業を含む環境にやさしい農業を実践している農家数がある程度拡大したことに関連している。
しかしながら、農薬使用量はOECD基準に比べて高いままとなっており、その理由の一つとしては、土地や労働者への圧力や温暖湿潤気候によることがあげられる〔5〕。
農薬の人に対する中毒発生件数は、1960年代以降大幅に減少している〔5〕。
また、全国の表層水(川、湖及び沿岸地域)水質について調査した近年のモニタリングデータによると、農薬に関する飲料水水質基準値を超えたサンプル数は、0.1%未満だったことが明らかになっている〔30〕。」p. 8
ここで明らかなように、農薬使用が減少したが、農薬使用の減少は農薬使用をやめたあるいは減らした農家数の増加と関連しているが、農薬使用量はOECD各国と比較して多いままである。
・農薬や肥料使用、栄養過剰の数値はOECD標準よりも高い〔5〕。
「一方、栄養分管理施設を伴っている農家の割合は低く、効率的な栄養分の利用はOECD加盟国の中で最も低い。農家のエネルギーや燃料に対する税を免除することで、効率的利用の阻害要因として作用することがある。農業の水汚染を制限する試みは、産業用や家庭用水の汚染を抑制することに比べると遅い[5]。農地の減少は、農業部門の様々な生態系サービス供給能力、特に、洪水や地滑りの緩和、地下水涵養機能及び生物多様性の保全を減少させている。」pp. 10-11
ここでは農業の水汚染を制限する試みは遅いことが指摘されている。
日本の農薬使用量が、ようやく世界2位に
日本の農薬使用量がようやく世界2位になりました。
世界1位は韓国です。
この2カ国はずば抜けています。
この図には記入してありませんが、これに次ぐのは中国です。
日本が、ようやくですが、2位になったことは喜ぶべきです。
日本の農薬使用量が減少してきたことは、2008年OECD報告で明らかでした。
しかし、この農薬使用量の減少が、残効性が長く、浸透移行性のあるネオニコチノイドなどを採用した結果である可能性があることに注意しなければなりません。
ネオニコチノイドは人間に対する急性毒性が低いことで、コーティング種子など様々な方法で使われています。
この結果生態系に悪影響を与えるという報告が多くあり、さらにはネオニコチノイドに被ばくすると体調異変を訴える人がいます。
2位にはなりましたが、OECD諸国平均(0.07トン/平方キロメートル)と比較すると、日本(1.16トン/平方キロメートル)はまだ約17倍も多量に使用しています。
さらには農薬として分類されていないグリホサート製剤も道路沿いや線路・空き地の雑草駆除に使用されています。
このため、日本の使用量は過小評価されている可能性があります。
日本の農薬使用は今後とも削減が必要です。また、TPPが大きな関心を持たれており、加入すると農薬に汚染された食物が入って来ると主張する人がいます。
しかし、冷静に考えれば、日本は米国より耕地面積あたり約17倍の農薬を使用している事実には口をつぐんでいます。
そのために食品が汚染されるばかりでなく、民家周囲で農薬散布が行われ、汚染されるために、苦しんでいる人がいることを、農薬汚染を問題にする方々が無視しているのは身勝手です。
農薬使用量データ(OECD2010)
runより:農薬使用量ですが今は中国がダントツでトップです、しかし国土を考えると日本と韓国は異常な使用量だと分かりますね( ̄_ ̄ i)