3:ネオニコチノイド:イミダクロプリド | 化学物質過敏症 runのブログ

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・2.イミダクロプリド イミダクロプリドの化学的性質および作用メカニズム
イミダクロプリドの化学的性質
イミダクロプリドは塩素化されたニコチン類似物で、塩素化はアセチルコリンエステラーゼによる分解を受けにくくする。
イミダクロプリドは水溶性で、その蒸気圧は低い。

イミダクロプリドは光分解と微生物の作用により分解する。

水中での光分解の半減期は 1.4-10 日と短いが、微生物による分解の半減期は水中で 30-150 日で、土壌中で 106-93 日である。

数年間の使用により土壌への蓄積が見られることがある。(後に詳述)
アセチルコリン受容体に対する作用メカニズムイミダクロプリドは神経伝達物質アセチルコリンの受容体であるアセチルコリン受容体に作用することが知られている。

アセチルコリン受容体はニコチン性アセチルコリン受容体とムスカリン性アセチルコリン受容体に大別される。

ニコチン性アセチルコリン受容体は中枢神経系や骨格筋神経接合部の終板、自律神経節のシナプス後膜、副腎髄質などに存在する。自律神経と筋肉とに存在する受容体は異なる。
一般に、ほ乳類の受容体とのイミダクロプリドの結合力は昆虫などより低く、このため昆虫などより大部分のほ乳類に対する毒性が低い。

敏感な受容体は昆虫や動物プランクトンに存在するため、昆虫駆除に低濃度で使用できる。

また、この性質はペットや家畜の駆除や芝生害虫の防除に好都合であると考えられている。
イミダクロプリド PC12 細胞* * のカルバコール が誘導する全細胞電流*を、量依存性に抑制する。

またイミダクロプリド自体も小さな電流を誘導する。

イミダクロプリドによる主電流の開始および持続時間はアセチルコリンによるものよりも短い。

アセチルコリンとイミダクロプリドを同時に作用すると、アセチルコリン単独によるコンダクタンス*より減少する。

この結果は、イミダクロプリドは神経のニコチン性アセチルコリン受容体チャネルにアゴニスト* * とアンタゴニスト との両方の作用を及ぼすことを示す (Nagata et al.1998)。
* PC12 細胞:ラット副腎髄質に由来する褐色細胞腫由来の細胞系で、神経細胞のモデルとして用いられる。
*カルバコール:コリンエステル類で、カルバモイルコリンともいう。コリン作動薬(アゴニスト)で、ムスカリン様作用とニコチン様作用を持つ。アセチルコリンエステラーゼによる分解を受けない。緑内障の治療などに使われる。
*, 細胞全膜電流:電気生理学で使われる用語で、細胞膜のチャネルやトランスポータなどを通過する全電流。
*コンダクタンス:電流の通りやすさを示す値。
*アゴニストとアンタゴニスト:アゴニストは作動薬ともいわれ、ホルモンや神経伝達物質と同じような働きをする物質。

アンタゴニストは拮抗剤(薬、物質)、遮断薬などともいわれ、受容体に対する作用はないが、アゴニストの作用を妨げる物質。受容体に作用する本来の生体物質はリガンドという。
イミダクロプリドは、中枢神経や骨格筋神経接合部終板などにあるニコチン性アセチルコリン受容体に作用する
イミダクロプリドはニコチン性アセチルコリン受容体にアゴニストとアンタゴニストとの両方の作用を及ぼす