・生態影響
● 鳥類への影響:ジメトエートは鳥類に中から高度に有毒である [1,2]。
ニホンウズラの5日間経口LC50は341 ppmである。ほかの鳥類でも非常に有毒であるだろう。
報告された急性LD50値はマガモで41.7から63.5 mg/kg、キジで20.0 mg/kgである。
鳥類はほ乳動物のように急速にジメトエートを代謝できず、これらの種での相対的に高い毒性の理由である[2]。
● 水生生物への影響:. ジメトエートは、魚類に対して中程度に有毒で、報告されたLC50値はニジマスで6.2 mg/L、ブルーギルで6.0 mg/Lである。
カワゲラとヨコエビのような水生無脊椎動物でより有毒である [2]。
● その他の生物への影響:ジメトエートはミツバチに非常に有毒である。
ハチでジメトエートの局部的24時間LD50は一匹につき0.12μgである [2]。
環境での動き
● 土壌と地下水中での分解
○ジメトエートは土壌環境中で残留性が低い。土壌半減期は4-16日、あるいは122日の高さも報告されているが、代表的な値は20日程度と思われる。
土壌微生物により急速に分解されるため、湿った土壌中でより速く分解される [2]。
○ ジメトエートは水に非常に溶けやすく、土壌粒子への吸着は非常に弱いで、浸出しやすい [2]。
○ アルカリ性土壌中で加水分解により分解し、乾燥した土壌表面から蒸発する。
使用したジメトエートが蒸発により23から40%が失われることが報告されている [2]。
○ 生物分解は重要で、2週間後殺菌していない粘土ローム土壌中で77%が失われると報告されている[2]。
● 水中での分解
○ 水中で、ジメトエートは堆積物あるいは浮遊している粒子に吸収されず、水生生物中に生物濃縮しないと思われる [2]。
○ 加水分解を受け、特にアルカリ性の水中で大きく受けやすい。
生の河川水中でジメトエートの半減期は8日で、消失は恐らく微生物の作用あるいは化学分解による [2]。