4:ネオニコチネイド | 化学物質過敏症 runのブログ

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イミダクロプリドとその代謝物は水に非常に良く溶ける。イミダクロプリドは酸性及び中性の水中では安定であるが、アルカリ性では容易に加水分解を受ける。蒸気圧は低い [1]。
 
 
不活性成分
 
北米農薬代替連盟 NCAPの報告書によると、製剤によって異なるがイミダクロプリド製剤中に同定された不活性成分には、結晶状シリカとナフタレンがある [6]。
 
・ 石英
石英は肺癌を起こし、石英は国際癌研究機構 IARC によって「人間の発癌物質」に、米国毒物計画 NTP によって「人間の発癌物質として知られる」に分類されている。

石英は肺気腫や閉塞性気道疾患を起こす。

また、人間と動物で遺伝障害を起こすことが知られている [6]。
 
・ ナフタレン
吸入により鼻腔癌を起こし、米国毒物計画は「発癌活性の明らかな証拠がある」としている。ナフタレンは変異原性も示す。

ナフタレンによる障害には、貧血や肝障害、白内障、皮膚アレルギーなどが知られている [6]。
 
ネコのノミ駆除に用いた場合の不活性成分の毒性
 
イミダクロプリドを含むネコのノミ駆除剤を、指示量以上に子ネコの首の後に使用すると、有毒である。

推奨量の5倍を投与すると、死亡や昏睡、運動失調が子ネコに観察された。

この毒性は不活性成分によるものと考えられている。

製剤又は不活性成分を与えたネコでおう吐や流涎が観察されている [6]。
 
 
生態毒性
 
ミツバチの群崩壊症候群
 2006頃からセイヨウミツバチが大量に失踪する現象が米国や欧州で発生している。

更に日本でも類似の現象が岩手県で報告されている。
 
 原因としては次のような様々なことが考えられている。
・ウィルス
・栄養失調説
・殺虫剤:ネオニコチノイドやイミダクロプリドなど
・遺伝子組み換え農作物説
・ミツバチへのストレス
 
 ミツバチに対する毒性はネオニコチノイド間で差があることが知られており、クロチアニジンやジノテフラン、イミダクロプリド、チアメトキサム、ニテンピラムは毒性が強く、アセタミプリドやチアクロプリドは毒性が弱いと思われている (23)。
 Girolami et al. (2009)は、ネオニコチノイド処理種子から育てたトウモロコシの葉から出る滴中のチアメトキサムやクロチアニジン、イミダクロプリドを検出し、その濃度は害虫駆除に使う濃度近くかそれ以上になると示た。

ミツバチがこれらの滴を摂取すると、数分以内に死ぬと報告した(25)。
 Tremolada et al. (2010)によると、ネオニコチノイド処理した種子の播種日にミツバチの死亡が増加し、播種後に餌を集める数が減る。

トウモロコシの播種が重大な影響を与え、チアメトキサムが最も有毒な物質と考えている。

被ばく量を算出すると、ミツバチが播種した場所を飛翔している場合、チアメトキサムはミツバチの接触LD50近くになるという(24)。
 
岩手県の事例
 日本では2005年 9月28日に岩手県養蜂組合が組合員のミツバチが大量死したのは農薬散布が原因だとして県と全農県本部に損害賠償を求めることを組合の理事会で決定した。

組合によると胆江地域を中心に700群のミツバチが死亡しているという。

この時期はイネのカメムシ防除のためにネオニコチノイドが広域に散布された時期と重なり、組合は農薬散布が大量死の原因であるとしている。(11,12)
 県や養蜂組合の分析によると、ミツバチの致死量に近い値のカメムシ防除に用いたネオニコチノイド殺虫剤クロチアニジンが巣や死んだミツバチから検出されている。(13)
 全農県本部と県農薬卸商業協同組合が養蜂組合に計500万円の見舞金を支払うことなどで和解する方向が固まり、県が養蜂業者に低利融資し、農薬対策協議会を設立し、県が取りまとめながら再発防止に努めるという提案があったという。(14-15)
 次年度は農薬使用前に、胆江地方病害虫防除協議会は養蜂農家に通知をした。(16)

 しかし、再びミツバチに被害が発生した。

昨年と異なる点はカメムシ防除が始まる前の7月から被害が発生していることで(17-19)、県南部以外からも被害が発生している。

養蜂組合が7月に分析した死んだミツバチから農薬が再び検出されていた。

養蜂組合長は悪影響のある農薬を使っているうちは解決しないことがはっきりした。

使用を中止し、被害の出ない方法を検討すべきだと話した。(19)

12月25日に養蜂組合は全農県本部と県農薬卸商業協同組合を相手取り農薬の販売差し止めや被害の損害賠償を求めて盛岡簡裁に調停を申し立て、受理された。(20)

 この結果、2007年4月26日に和解が成立し、農薬散布による被害防止のため県の指導の下に関係する農協や水稲農家の協力を得て対応策を講ずるよう努力することと、養蜂組合側は金銭などの請求をしないことになった。(21)
 
 
他の化学物質との相互作用
 
 オオミジンコを用いて、イミダクロプリドとチアクロプリドとの相互作用を調べた研究で、繁殖に対して相乗作用を示すと報告されている (22)。