・ネオニコチノイド
ネオニコチノイドとは新しい(ネオ)ニコチン様(ノイド)物質という意味で、タバコに含まれるニコチンに似た作用を持ち、構造的にも似ているが、急性毒性は低い。
ネオニコチノイドの急性毒性は低いと思われるが、ニコチン中毒類似の症状を示すと考えられている。
中には有機リンと同程度の毒性を持つものがある。
最近使用されるようになった農薬グループで、毒性に関する公表されたデータは少ない。
ネオニコチノイドは、ニトロクアニジンやネオニコチニル、ネオニコチノイド、クロロニコチン、クロロニコチニルと、ニコチノイドと呼ばれることもある [1]。
ネオニコチノイドに属する物質
構造によってニトログアニジン系、ニトロメチレン系、ピリヂルメチルアミン系に分けられる。
・ ニトログアニジン系 nitroguanidine
クロチアニジン clothanidin;ウィンダントツ水溶剤、モリエー トSCなど
ジノテフラン dinotefuran;アルバリン粒剤など
チアメトキサム thiamethoxiam;アタクラ粒剤5など
・ ニトロメチレン系 nitromethylen
ニテンピラム nitenpyram;パダンベスト粒剤など(ニトロメチレン系とピリジルメチルアミン系の両方に分類される)
ニチアジン nithiazine
・ ピリジルメチルアミン系
アセタミプリド acetamiprid;ビーム水和剤、マツグリーン液剤、マツグリーン液剤2など
イミダクロプリド imidacloprid;ハチクサンFL、アドマイヤーなど
チアクロプリド thiacloprid (CAS 111988-49-9) ;ウィンバリアード、エコワンフロアブル、エコワン3フロアブルなど
ニテンピラム nitenpyram;ベストガードなど
・ その他
フロニカミド flocamid
毒性
ネオニコチノイドの急性毒性は一般に低い。
ネオニコチノイドは、ニコチン性アセチルコリン受容体(用語を見よ)の阻害剤として作用する。
哺乳動物の受容体への親和性が昆虫の受容体への親和性よりも低いため、昆虫に選択的な毒性を発揮するといわれている [1]。
有効成分以外に、界面活性剤や有機溶剤のような不活性成分にも注意を要する。
半数致死量 [1]
イミダクロプリド
経口 ラット 410-475
経口 マウス 98 mg/kg
マウス 131-168 mg/kg
クロチアニジン
経口 ラット雌雄 5,000< [8]
経皮 ラット 2,000< [8]
吸入(4時間) 506.14 mg/L [8]
吸入 ラット >5,323 mg/kg
経皮 ラット >5,000
腹腔内投与 マウス 35 mg/kg
チアクロプリド
ラット雄 621 mg/kg [9]
ラット雌 396 mg/kg [9]
経口 ラット 444 mg/kg
ラット雌雄 2000 mg/kg [9]
吸入 ラット 1,223 mg/m3/4時間
ラット雌雄 0.481 mg/L<
チアメトキサム
経口 ラット >3,000 mg/kg
経口 ウサギ >4,000 mg/kg
吸入 ラット >2.78 mg/L/4時間
ニテンピラム
吸入 ラット 5,800 mg/m3/4時間
経口 ラット 1,575 mg/kg
経皮 ラット >2,000 mg/kg
経口 マウス 867 mg/kg