4: パーキンソン病と農薬 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・農薬・木材防腐剤・アマルガム充填
 
症例対照研究で、農業活動や農薬被ばく・井戸水飲料・動物との接触のような田舎の因子、木材保存剤や重金属・溶媒のような毒物被ばく、全身麻酔、頭部外傷、子宮内環境の違いに関してパーキンソン病との病因的関連を調べた。

ドイツの9か所の診療所で380人の患者と379人の近所対照者、このような因子を研究している大規模症例対照研究の376人の地域の対照者で、インタビューをしてデータを得た。

教育状態と喫煙をコントロールした。
 
喫煙はパーキンソン病と強い逆の関連があった。

農薬使用、特に有機塩素とアルキル化燐酸に関してオッズ比が有意に高かったが、ほかの田舎因子との間に関連はなかった。

木材防腐剤被ばくに関して有意に高いオッズ比の上昇があった。発端者による主観的評価では、一部の重金属や溶剤・排気ガス・一酸化炭素は、対照や患者で頻度が有意に高かったが、職歴の平行した評価によって確認されなかった。

対照より患者は全身麻酔と重度の頭部外傷が多かったが、両応答勾配はなかった。

対照より患者は病気の前に有意に多く歯にアマルガムを充填していた。

早産と出生順序は患者と対照で差がなかった。対照より患者は有意に多いPDに罹患した親戚を持っていた。

これらの結果はパーキンソンの病因で環境と遺伝因子の役割を支持した。
 
 
 
遺伝的素因
 
パーキンソン病は神経毒物によって起こると考えられ、農薬は原因の一つと考えられている。

グルタチオントランスフェラーゼは農薬を含む異物を代謝する。

Menegon et al. (1998)はパーキンソン病の原因でグルタチオントランスフェラーゼの多形性の役割を検討した。
 
GSTの4種類(GSTM1, GSTT1, GSTP1, GSTZ1)を95人のパーキンソン病患者と95人の対照でPCR法によって遺伝子型を調べた。

また、全患者で農薬被ばくについて質問した。
 
GSTP1の分布は農薬に被ばくした患者と対照の間で有意な差があり、AAは対照と患者でそれぞれ54%と18%、ABはそれぞれ42%と56%、BBは4%と15%、ACは0%と10%であった。

ほかのGST多形性では関連が認められない。

農薬被ばくと家族歴はパーキンソン病のリスク因子であった。
 
GSRP1-1は血液脳関門にあり、神経毒物に対する反応に影響するのだろう。

そして農薬のパーキンソン誘発影響に対する一部の人の脆弱性を説明する。
 
 
 
有機燐剤-症例
 
有機燐系農薬被ばく後に急性で可逆性のパーキンソン様症状を患った5症例が報告されている (18)。

これらの患者の一部にパーキンソン病治療に有効であるL-ドーパ*が投与されたが有効でなかったことから、これらの症例は真性のパーキンソン病ではなく、パーキンソン症候群に分類されるだろう。
 
* L-ドーパ:パーキンソン病の治療薬
 
全症例は、パーキンソン病の家族歴や、神経遮断薬や薬物乱用の経験はなかった。

患者は農薬被ばく後に寡動と姿勢不安定・振戦を示したが、筋強剛は目立たなかった。

次の症例が報告されている。
 
○ 症例1 31才女性、自殺目的で有機燐剤ジメトエートを飲んだ。急速に、嘔吐や発熱・感覚異常が現れ、入院時には傾眠と無動・硬直を示した。その後意識は戻ったが、パーキンソン症状のためにベットから離れることはできなかった。患者は寡動や弱い四肢の筋強剛・手の振戦・仮面様顔貌などを示した。レブドパ-カルビドパ投与を受けたが、改善がなかった。4週間に渡って徐々に改善した。8か月後にパーキンソン様症状は消失した。
 
 
○ 症例2 有機燐エーロゾルでアパートを燻蒸した2日後、79才女性がパーキンソン様症状を急激に発症し、進行性の運動の緩慢さや歩行困難・四肢の振戦が現れた。1か月後に医療を受けた。診察で、顕著な寡動や猫背・行動を始められない・足の引きずり歩行・四肢の筋強剛・振戦・仮面様顔貌などを示した。薬物治療は有効でなかった。以後の追跡はされていない。
 
○ 症例3 64才女性。台所と寝室で日に2回10日間有機燐エーロゾルを使った。その後2日、右足の間欠的な痙攣と手と腕の痙攣が起こった。以後10日間毎日エーロゾルを使ったが、全ての全身運動の緩慢さが進行し、猫背・手の振戦・表情がないなどの症状が現れた。筋強剛ははっきりしなかった。入院2日後、症状は急速に回復し、1週間後に退院した。家に帰った日に再びパーキンソン病様症状が再び現れた。薬物治療は無効であった。6週間後に再入院したが、2日で独立歩行ができるようになった。家に帰ると最初の時と同様に急速に症状が現れた。
 
医者は農薬被ばくとパーキンソン病様症状とが関連している可能性を話し、家族は患者が帰る前に家を清掃した。

しかし、家に帰ってから2日で症状が現れた。

その後、同じ建物の別なアパートに移った。症状は現れなかった。

数か月後、患者はもとの家に戻ろうとしたが、パーキンソン病様症状が現れ、新しい家に永遠に住まなければならなくなった。

2年間、無症状であったが、衣類をもとの家から持ち帰り着た時に、パーキンソン病様の初期症状に気づいた。

衣類を新しい物と交換する必要があった。
 
○ 症例4 45才女性。症例3患者の妹で、症例3患者が病気であった時に手伝いに行った。到着後2日で、全ての運動が徐々に遅くなった。診察で、中程度の寡動・姿勢不安定・全身性強剛が分かった。その他に振戦などパーキンソン病様症状を示した。家に帰った1週間後、急速に改善し症状はなくなった。
 
○ 症例5 38才女性。症例3の娘。母親の家に着いてから3日で筋緊張異常性の斜頸が現れた。まもなくパーキンソン病様症状が現れた。母親の例を知っていたので、直ちに家に帰った。症状は家に帰ってから数日で消失した。
 
患者は、症例1を除いて、混合剤を使っているため、複数の有機燐に被ばくした。

疫学的研究では有機燐とパーキンソン病の関連が指摘されてきたが、この報告はパーキンソン病様症状と有機燐との関連を示す症例報告であり、患者3の妹や娘で同じような過敏さを示すことから、有機燐に対する脆弱性やパーキンソン病様症状の現れやすさに、遺伝的関連があることも示唆している。

 

runより:特にこの記事でパーキンソン病と農薬、また化学物質過敏症と類似している点が多いと気づかれるでしょうね(´・ω・`)

一応グルタチオンにも触れています、有機リンの公式解毒剤ですからね。