・http://www.maroon.dti.ne.jp/bandaikw/
出典:私たちと子どもたちの未来のために
・香料と消臭剤
初夏 2010
香料は知覚できる物物質であり、健康や環境に対する影響が指摘されています。
これに対して消臭剤はにおいを消すことを目的としていますが、内容は別なにおいで覆い隠したり、分解したり、あるいは中和したりすることによって、「臭い」を消します。
場合によっては、環境汚染の原因ともなります。
さらに、消臭剤には臭いの発生源となる細菌や真菌などを殺す化学物質も添加され、一部消臭剤中の殺菌剤の存在が懸念されています。
香料の健康影響 (PDFファイル)
http://www.maroon.dti.ne.jp/bandaikw/chemicals%20in%20general/fragrance_and_health.pdf
EU、香料ムスクキシレンなどの使用販売規制へ(2011年2月17日)
http://www.maroon.dti.ne.jp/bandaikw/chemicals%20in%20general/EU20110217%20REACH%206chem%20ban.pdf
欧州消費者製品安全性科学委員会(SCCS)、化粧品中のアレルギー性香料、2012。
http://www.maroon.dti.ne.jp/bandaikw/chemicals%20in%20general/SCCS%202012%20Allergenic%20fragrances%20in%20cosmetics.pdf
EUでアレルゲンとされ、消費製品ラベルで確認される26香料のリスト
http://www.maroon.dti.ne.jp/bandaikw/chemicals%20in%20general/EU26allergenic_fragrance.pdf
米国癌研究所(NCI)、アロマテラピーと精油類 (PDQ®)
http://www.maroon.dti.ne.jp/bandaikw/archiv/chemicals_in_general/NCI%202012%20aromatherapy%20and%20essential%20oils.pdf
カナダ職業衛生安全センター(2005):鼻は知る:無香料の衛生的な理由を理解する
http://www.maroon.dti.ne.jp/bandaikw/chemicals%20in%20general/CCOHS_2005_Nose_know_Scent%20free%20policies.pdf
嗅覚に関する研究は進んでいない。
嗅覚は長い間謎に包まれた感覚であった。
最近、嗅覚の研究にノーベル賞が贈られた。
これは「最も謎に包まれた人間の感覚」の解明に貢献したことが受賞理由にあげられている。
生物は臭いを感じることにより危険の回避や餌の獲得、異性の認知をするなど基本的な生存に役立ててきた。
さらに、不快な臭いを薄めたり、隠すためにも香料が使われるようになっている。
反面、身体に有害なものを見つけ出す能力を妨害するのも香料である。
香料は自分や他人の鼻腔の奥にある嗅粘膜まで入り込んで役目を果たす化学物質である。
農薬使用や排水、排気ガスなどが規制されているように、化学物質を環境に放出することの多くは規制されている。
さらに、農薬などでは人間の被ばくを抑える努力が法令を通じて行われ、有機農業や消費者の運動によって進められている。
しかし、鼻腔の奥で直接接触するのに、香料はほとんど規制されていない。
香料の使用により不快な気持ちになったり、病気が誘発されることも知られている。
香料も他の化学物質と同じように規制すべきである。
また、規制実施前でも、香料使用を「自粛」することが必要である。
一部自治体では公共施設などで香料の自粛を呼びかけている。
本報告「香料の健康影響」は、香料により体調を悪化させた人や香料を不快に感じている方々からの要望により、香料を検討したものである。
人間にプラスななると考えられる香料の影響は、化学会社やその周囲の方々が宣伝・報告をしている。
本報告は、単なる香料恐怖症ではなく、香料の好ましくない影響に注目して暫定的に発表します。今後、本報告を充実させていく予定です。
また2011年2月17日には、欧州委員会はREACHに基づき香料であるムスクキシレンや、可塑剤であるフタル酸エステル類、難燃剤であるヘキサブロモシクロドデカン、合成中間体である4,4'-ジアミノジフェニルメタンの製造/使用の規制に乗り出した。
さらに2012年には欧州委員会のSCCS(消費者安全科学委員会)はアレルゲン性香料として、先に同定されていた26物質を含む82物質を発表している。
この中には「証明された接触アレルゲン」と分類することができる82物質(54種の化学物質と28種の天然抽出物)がある。
その他に、32種類の個別化学物質および13種類の天然抽出物が「接触アレルゲンと疑われる possible contact allergens」と分類されている。
このアレルゲン性香料の一部の規制は2013年7月から欧州共同体で始まっている。
参考:欧州消費者製品安全性科学委員会(SCCS)、化粧品中のアレルギー性香料、2012。
EUでアレルゲンとされ、消費製品ラベルで確認される26香料のリスト
職場で香料使用が同僚の健康に悪影響を与えることが知られている。
政府や労使で作っている非営利団体であるカナダの職業衛生安全センターは職場で無香料方針を支援する情報を発信している。
参考:カナダ職業衛生安全センター(2005):鼻は知る:無香料の衛生的な理由を理解する
アロマセラピーが長い歴史を経てきたさまざまな病気の安全な治療法であると宣伝されています。
また、この療法を病院が取り入れ、患者や訪問者を無差別に香料にさらす場合があります。
本当に有効かどうか、また安全なのかについては疑問があります。
この疑問を米国の国立癌研究所が答えている文書があります。この文書を掲示しました。
この報告が読者の香料理解の一助となれば幸いです。
最後に、本報告作成にあたって協力を頂きました皆さんに感謝致します。