築地市場の豊洲新市場移転問題 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出典:ダイオキシン・環境ホルモン国民会議

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築地市場の豊洲新市場移転問題
日本環境学会元会長・元大阪市立大学大学院教授 畑 明郎

はじめに
―豊洲新市場問題の発覚
2016年11月7日に予定されていた築地市場の豊洲移転前に行われた7月31日投票の都知事選で豊洲移転問題が争点となり、一定の見直しを掲げた小池知事が誕生した。

小池知事は8月31日に移転延期を表明したが、その理由は次の3点である。
❶2017年1月に公表されるとした豊洲新市場の地下水モニタリング調査の最終結果を待つことによる土壌汚染対策を含めた安全対策への懸念。
❷事業費が2011年の3926億円から5884億円に膨れ上がった不透明さ、とくに建物建設費が990億円から2752億円と、4年で3倍近くに増加した点を疑問視。
❸移転に関連する情報公開不足。
2016年9月7日の日本共産党都議団の調査を契機として、9月10日の小池知事の緊急記者会見で、「豊洲新市場の土壌汚染対策としての4.5m の盛り土が、建物地下で行われずに地下空洞となっている」ことが発覚した(写真)。

その後、マスコミがこぞってこの問題を取り上げ、筆者も経験したことがないマスコミの取材攻勢を受けた。
なお、半年以上経った現在でも、建物下の盛り土をやめて地下空洞に変えた理由と都の最高決定者は判明していない。

築地市場
移転問題の経緯
 築 地 市 場は、年間45万トン、4350億円の水産物を扱う世界最大の水産物市場であり、外国人に人気の観光スポットでもある。

この「日本の台所・築地市場」は、石原知事が2001年に豊洲移転を決定以降、移転問題に揺れている。

築地の地価は坪2000万円、面積7万坪で1兆4000億円、豊洲の地価は坪154万円、面積12万坪で1849億円と、移転により1兆円以上の土地売却益が都に入るとも言われる。
 都は、2016年の東京オリンピック招致を目指し、築地市場跡地はオリンピックのメディアセンター用地とする計画だったが、招致に失敗したにもかかわらず、その後も築地移転をあきらめなかった。
この移転計画に対して、築地市場の仲卸業者、文化人、知識人、消費者らは、東京ガス豊洲工場跡地がひどい土壌汚染地であることから、移転反対運動を進めており、2007年の都知事選の最大の争点となった。

当時、筆者が会長を務めた日本環境学会も2007~2009年に3回のシンポジウムを開催するとともに、「築地市場の豊洲移転に反対し、現位置での再整備を求める」声明を3回発表した。