9、環境配慮型建築 と環境医学
MCS患者は安全な 環境で治療を施さねばならない。
今から20年前の 1989年のこと、私は、ドイツ中部にある北ヘッシアに位置する小さな温泉村に環境に配慮した環境病の研究所を建設することを決意した。
壁土として使用し た石灰モルタルや多孔質の鉱物塗料は、有毒物質をろ過、結合、中和することができる。
断熱性だけでなく、湿気が少なく、短期間で乾くこともこうした建設素 材を選ぶ際には重要な要素となってくる。
我々は建設資材会社や建設会社に運ばれてくる建材が放射能や毒性気化物質や芳香成分を含まないもの(低揮発製品) であることの証明書を提示するよう依頼した。
木材部品の手入れについては、テルペンを含まない天然ラッカ―や敏感な患者のために特別に開発されたワックス を使用した。
電磁波を下げるため に被膜ケーブルを用いてきた。
プラグ使用の電化製品によって生じる振動波を避けるために、すべての電気回路は回路スイッチを装備し、電化製品の電源が切れ ているときは電気回線の全ての電流も切れるようにした。電気回路配線は星型に設置した。
ヴォルフハーゲンで の新企画―グリム兄弟の故郷の歴史的街において
現在、我々はドイツ のヴォルフハーゲンの都市と協力して新たな環境企画であるエコホテルヴォルフハーゲン城を構想中である。
ヴォルフハーゲンは半分梁を目ぐらした家々が立ち 並ぶおとぎの国グリム兄弟のいた歴史ある街だ。
グリム兄弟の一人ルートビッヒ・エミール・グリムはかつてヴォルフハーゲンに住んでいた。
彼は自分の兄弟で ありヤコブとヴィルヘルム・グリムが書いた有名なおとぎ話のコレクションのための絵をたくさん描いた。
街は1231年、チューリンゲンのコンラード伯爵よ り独立して設立された。
エーデル渓谷や歴史的建造物が豊かなかつてのヘッセン選帝侯領土の首都、カッセルの西に程近く、中部ドイツ高原地方でもっとも美し い場所の一つである。
MCS患者の数は増 加の一途をたどっている。こうした社会的孤立をますます深めていく人たちにとっては、静養したり休暇を楽しんだり、医学的治療を受けるための安全な場所が 不可欠である。
だからこそ環境配慮 型建築や応用環境医学の知識に基づく家や病院、ホテルの建設が緊急課題となっている。
我々は光栄にも地元自治体の支援、とりわけ我々の先輩で、「環境テク ノロジーが環境医学と手を結ぶべき」とのモットーを掲げ我々の企画を大いに支援してくれるラインハルト・シャッケ氏の支援を受けている。
シャッケ氏はまた 2015年までに100パーセント再生可能なエネルギーの生産を目指している。
昨年、ヴォルフハーゲンは「親エネルギータウン」賞をドイツ連邦政府より授 与されている。
執筆本と住所
1、ルノー、クラウ ス・デートリッヒ;「もし化学物質が神経システムを攻撃したらー
解毒によっていかに 能や神経を守ることができるか」ミュンヘン、ドイツ、第2版、2009年4月
2、レオ・ガーラン ト、ヘレン・ラファティ;胃腸機能障害:慢性疾患との関連性、機能性医学専門書;機能性医学研究所、2008年
診察および療養セン ター
機能環境医学研究所 (IFU)
医局長:クラウス・ デートリッッヒ・ルノー
www.umweltmedizin.org
www.ifu.org
ヴォルフハーゲン― 観光案内所
www.wolfhagen.de
touristinfo@wolfhagen.de
患者団体
CSN-化学物質過 敏症ネットワーク
シルビア・K・ミュ ラー
www.csn-deutschland.de
csn@allergic.de
(翻訳;佐山摩麗 子)