2:柔軟剤のニオイで不調に、退職まで…「香害」という新たな公害 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・「香害110番」に213件の相談
「自殺まで考えるようになった」
 香り付き商品が増えれば、弊害も出てくる。

 まず、職場などで柔軟剤の香りを不快に感じる人たちが増えた。
東京都内のメーカーに勤務する女性は、後ろの席の先輩女性の服から漂ってくる柔軟剤の強烈な香りに悩まされている。

 本人は「いい匂い」と思っているようだが、とくに夏になると、柔軟剤と汗のニオイが混ざるのか、もはやトイレの芳香剤のニオイに近い。

 仕事に集中できなくなってきたので、上司に「何とかしてください」と泣きついたが、上司は「人に『くさい』なんて、君、言えないだろう」。

「においの『暴力』スメハラ」(『AERA』2013年7月22日号)として、紹介された事例だが、こうした光景が多くの職場で見られる。

 同時に、柔軟剤のニオイで体調不良に陥る人が増え、全国の消費者センターへの相談が急増した。

 相談をまとめている「PIO―NET(パイオネット=全国消費生活情報ネットワーク)の相談件数は、08年の14件から少しずつ増え、11年に30件になった後、12年には65件へ倍増した。

 13年8月末までの相談187件のうち、頭痛や吐き気といった体調不良を訴えるものが6割を占め、(タバコでいえば受動喫煙に当たる)他人が使用した柔軟剤による被害が7割を占めた。

 このため国民生活センターは13年9月、「柔軟仕上げ剤のにおいに関する情報提供」を発表し、消費者に「自分にとって快適なにおいでも、他人は不快に感じることもあることを認識しよう」と呼びかけるとともに、メーカーと輸入業者には「においが与える周囲への影響について配慮を促す取り組みを行なうよう」要請した。

 これを受けて、日本石鹸洗剤工業会は「柔軟仕上げ剤を選ぶとき・使うときは、周囲にもご配慮ください」などとウェブサイトに記載。大手メーカーもサイトで周囲の方に配慮し、目安量通りに使用するよう促している。

 テレビCM・雑誌などの広告・一部の製品の裏面に記載される表示でも、周囲への配慮を促す文言を入れるようになった。

 しかし、この程度の対応では焼け石に水だ。
日本消費者連盟(日消連、東京都新宿区)が17年7月26日と8月1日に合計8時間、「香害110番」を開設して相談を受けつけたところ、専用電話は鳴りっぱなし。

相談はファクスやメールでも寄せられ、合計213件になった。

 すべて他人が使用した商品による被害で、最も多かったのは、近隣の洗濯物の柔軟剤による被害だった。

「マンションの隣の人が干す洗濯物の柔軟剤のニオイがきつく、苦しんでいる。管理人を通してやめてほしいと頼んだが無視されている」といった内容だ。

 ほかにも「他人の柔軟剤のニオイで呼吸困難や吐き気を感じるようになり、耳鼻科を受診したが、『治療できない。精神科で診てもらいなさい』と言われた」

「MCSの診断を受けてから生き地獄のような日々。家族も私もボロボロになり、自殺まで考えるようになりました」という悲鳴も聞かれた。