2:平成16年度本態性多種化学物質過敏状態の調査研究 | 化学物質過敏症 runのブログ

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Ⅱ.方法  昨年度(平成15 年度)に施行した微量ガス負荷試験の被験者および健常者(化学
物質過敏性を自覚していない者)における薬物代謝酵素の遺伝子多型性および神経学 的検査所見を検討した。 

(1)インフォームド・コンセント(説明と同意) 
薬物代謝酵素の遺伝子多型性検査については、社団法人北里研究所及び学校法人北里学園の論理委員会の承認を受けた。

さらに、被験者には、本研究の趣旨・得られた研究結果の取り扱い方法および個人遺伝情報管理・倫理委員会における承認事項等を 詳細に説明し、同意の得られた者のみ研究協力を依頼した。 
 
(2)施設 
 使用施設は、分子生物学的研究設備を有する北里大学薬学部公衆衛生学研究室を主として利用し、一部、北里研究所病院・バイオメディカルラボも利用した。

マイクロアレイを用いた遺伝子発現の評価は、北海道道立衛生研究所の研究施設も利用した。
 
 
(3)対象  評価は、平成15年度の被験者9名を対象として計画し、本態性多種化学物質過敏
状態と判断され、かつ遺伝子多型検査に協力の得られた8名(以下、本態性多種化学 物質過敏状態患者という)について評価を行った。 
 また被験者の年齢は20歳から40歳までとし、社会生活が極めて制限されている者は対象としていない。

本態性多種化学物質過敏状態の診断は、北里研究所病院臨床環境医学センターに所属する医師が行い、第三者の医師により、本態性多種化学物質過敏状態の診断基準*に合致しているかどうかの判定を得て選択され、かつ研究開始時の対象選定にあたり、精神疾患の有無についての判定を行い、精神疾患を有する者 を除外している。

*なお、診断基準については、最終頁に記載した。 
 
(4) 薬物代謝酵素遺伝子の解析およびマイクロアレイによる遺伝子発現パターンの 検討  今回は、薬物代謝酵素として、グルタチオン-S-トランスフェレース群(以下 GSTs)の遺伝子発現を対象とした。

サンプルは被験者の上腕皮静脈より採血、末梢 リンパ球を分離し、Total RNA を抽出した。GSTs 遺伝子の発現は、常法通りに、 RT-PCR法によって評価した。

さらに、被験者末梢リンパ球より得たTotal RNA は、 マイクロアレイ解析に用いた。