4:2013年学校等における香料自粛に関する要望 | 化学物質過敏症 runのブログ

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先の小学生の時からにおいに敏感だったというお子さんは 2 人とも、中学進学後には、 同級生が部活の朝練習の後に使用する制汗剤や全身ローションの香りに頭痛がする、頭痛 や気分が悪くなる日が増えたと訴えています 15)。 

ある青年は、中学 2 年生の時にクラスの女子生徒が香水を落とした際に揮散した香水の 匂いを吸ってしまい昏倒、15 分間くらい昏睡状態が続き、頭痛が酷かったことを覚えてい ると振り返っています 15)。
  また、ある高校生は、暑くなりクーラー使用のため窓が閉め切られるようになると、頭 痛、倦怠感、リンパ腺の腫れなどの症状が顕著になり、教室にいられる時間が少なくなっ て、大学進学を考えて勉強したいと進んだ高校で、授業が思うように受けられなくなって しまいました 15)。 
 別の十代の青年は、小学 4 年で化学物質過敏症と診断を受けて以来、登校をあきらめ、 自宅での自学自習を続けています。自宅近くの小学校で毎年夏に行われる行事の参加者の 香料入り製品で体調不良になり、強い眠気、倦怠感、食欲不振、鼻血、自律神経失調症、 平衡感覚異常等に一週間くらい悩まされるそうです 15)。
 香料が原因で教育を受ける権利を奪われてしまうような、理不尽な状況を改善していた だく手立てをとっていただくことはできないのでしょうか。 

 学校側の対応が事態を深刻化させる場合もあります。

ある市民団体の調べでは、香料な ど化学物質による健康被害を訴えても、教師や友達から理解されず、訴えたことが虐めの 原因となって更なる被害に苦しむことになった例や、声を挙げることすら出来ないような 例、公立学校の無理解に疲れ果て、第2子は理解のある県外私学に進学させた例、教室に 充満する香料臭が耐え難く保健室登校していたところ、担任教師の暴言で登校拒否から退 学に至った事例もあったとのことです 16)。 
 また、新聞報道によると、岐阜県の化学物質過敏症に関する 2010 年の調査では、原因と なる物質として、芳香剤・消臭剤や香水・制汗剤・整髪料をあげる児童生徒が多く、主な症 状として頭痛や皮膚のかゆみ、のどの痛みやめまい等の症状が出ると訴えています 8)。 
 岩手県の 2010 年の小学校の工事では 22 人の児童がシックスクール症候群を発症し、重 症化した子どもたちは今も不自由な学校生活を続けています。

ある生徒は、頭痛や疲労感、 息苦しさで一日の最後の授業まで受けることが難しく、中学校では、制汗剤に暴露して強 い頭痛や吐き気に苦しむ、冬期になって暖房が稼働されると洗剤や柔軟剤の化学物質が揮 発するようになって登校できなくなるなど、3 年が経過してもなお症状に苦しめられてい ます 8)。 

 いつ、何が、発症や重症化の引き金になるかわからず、取り返しのつかない事態になる こともあります。柔軟剤の香りがきっかけで、光に過敏になり暗い部屋に閉じこもること になった人がいます 8)。

教師の整髪料や生徒の制汗剤、机にかけられた香水、来校した卒 業生の香水など、香料や香水に繰り返し暴露し、寝たきりになるほど重症化してしまった 生徒もいます。

重症化するまでに、それまでなかった喘息症状の出現など悪化の経過をた どっていますが、学校は、なぜもっと早く適切な対応で、生徒を保護することができなか ったのでしょうか 8), 17)。 

 化学物質過敏症の患者の 80%以上が症状を誘発するものとして香料をあげていますが、 発症や重症化の原因ともなりうるものです。

化学物質過敏症は、重症化すると外出が困難になり、日常生活にも困るだけでなく、教育の機会を奪われ、就職や将来の仕事の夢や可 能性も狭められてしまう、本当に深刻な病気です 8)。 
 大学の下見をしてとても通うことができないと進学をあきらめ、息が苦しくならず症状 が出ることなく働ける就職先を探しても難しく、自分の力で道を切り開いていこうとして いる人もいますが、大変険しい道のりです 8)。

シックスクールで化学物質過敏症を発症し た学校職員や教員もいますが、大人になってから職場で発症した人にとっても、再就職や 職場の理解を得ての復帰は困難を極めます 8), 15)。