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2017.3.13 月曜日 13:00
放送ログ 音声あり
「化学物質過敏症」を知っていますか?
森本毅郎 スタンバイ!
化学物質に過敏に反応してしまうことで起きる病気「化学物質過敏症」は、花粉症だけでなく、様々な病気と間違えられることがあります。
間違えられることで、かえって、悪化してしまう病気でもあります。
どんな病気なのか?3月13日(月)の松井宏夫の「日本全国8時です」(TBSラジオ、月曜あさ8時~)で解説しました。
★シックハウス症候群もその1つ。
化学物質過敏症は、特定の化学物質に接触し続けた結果、限界を超えてしまい、発症する病気です。
患者さんは、国内で100万人ともいわれますが、聞いた事がない方も多いかも。
でも、「シックハウス症候群」という言葉は、聞いた事があるのではないでしょうか?新築の家で体調が悪くなるのが「シックハウス症候群」で、昔、問題になりました。
あれは、建材のホルムアルデヒドという化学物質に過敏に反応してしまう病気で、この化学物質過敏症の一種とされています。
化学物質過敏症の症状は、「頭痛」、「めまい」、「イライラ」、「肩こり」、「吐き気」、「呼吸困難」、そして皮膚の「湿疹」など様々です。
問題は、ひとたび、ある化学物質で過敏症を発症してしまうと、その後、他の様々な化学物質によっても、症状が出てしまうケースもあるので、深刻です。
★原因となる化学物質は?
原因となる化学物質は、確認されているだけで、数十種類あると言われています。
例えば空気中に漂うもので、建材のホルムアルデヒドのほか、香水、殺虫剤、排気ガス。
また、肌に接触するものでも、化粧品、化学繊維、合成洗剤で洗った衣類、プラスチックなどもそうです。
食べ物でも、防腐剤や着色剤などの食品添加物、わずかな農薬が、原因となります。
★他の病気と間違えて、どんどん過敏に
問題は、この化学物質過敏症は、ほかの病気と間違われる事が多いという事です。
例えば、ある女性は、新築の家に引っ越した途端、頭痛やイライラなど体調不良が起きてしまい、近くの病院へ行きました。
すると、高血圧と診断され、血圧を抑える薬を飲む事になりました。
ところが、薬を飲んでいるのに、症状がどんどん悪くなってしまい、今度は、物を食べると口内炎が出て、薬も飲めない状態になってしまったそうです。
その後は、合成洗剤にも反応するようになってしまい、石鹸しか使えなくなりました。
一度、化学物質過敏症になると、最初の原因となった化学物質以外にも、どんどん過敏に反応してしまうようになるのが、この病気の特徴です。
そして、どうもおかしい、となって、病院を変えたところ、病気は高血圧ではなく、化学物質過敏症だとわかり、治療を変えて、回復していったということでした。
他にも、化学物質過敏症を別の病気と間違えるケースは多いんです。
例えば、頭痛で検査をしても異常がないので、「自律神経失調症」だと言われたり、のぼせてほてりがひどいので、「更年期障害」だと言われる。
また、疲れがなかなかとれず「慢性疲労症候群」など、中には原因不明とされる人も。
特に今頃の季節は、花粉症と間違えられることも多く、またアトピー性皮膚炎など、特定物質に対するアレルギーだと診断され、間違った治療で悪化することもあります。