・6.4.3 身体化症候群
MCSを含む環境病としてしばしば引用される身体化症候群は精神身体の機序に基づいている。
反応のパターンは、全てを外部因子を持った病気に結びつけようとする我々の中の傾向に関連しているが、我々の多くは、ストレスに曝されたり人格的問題抱えたり、あるいは不安になったり、鬱になった時に、ひとつ又は他の形で(頭痛、疲労、不眠、筋肉痛、など)潜在的に身体化症状を進展させる傾向がある。
この反応のパターンの国際的な名前は Individual Determined Response(IDR)[3]である。
最近発行された環境と産業医学に関する教科書の中で、ラスムッセンとヒルデブランド-エリックセン(2001)は、匂い過敏症のデンマークの経験を述べているが、それは他の環境的に決定される身体化症と同一のにグループに分類するものである。
著者は、この病気は患者の人格構造と患者の身体的及び社会的環境における要素との間の相互作用によって決定される病気として考えている。
彼等はまた、刺激物質に急性過度曝露した場合には、パブロフの条件反射説のような条件反射を可能性ある寄与要素と見なしている。
著者はまた、”・・・例えば毒性脳障害のような神経系に損傷を持つ人々は、有機溶剤及び一般的に非神経毒化学物質に対する強度の過敏性を経験する。
我々は多分、健康な人々にはない、他の機序を取り扱っている。”
従って、著者等は匂い過敏症を身体化障害と同じグループに分類し、一方、溶剤への曝露による症状を持つ人々に起こる時には、他の病気機序がMCSの背後にあるのではないかと考えている。
後者の患者グループに関連する仮定の病気機序は詳しく述べられていない。