16:2005年3月 デンマークEPAの報告書多種化学物質過敏症 MCS | 化学物質過敏症 runのブログ

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・3.3.2 イギリス安全衛生長官(HSE)への報告書

 スコットランドの産業医学研究所は多種化学物質の検証を要請された。

主著者グレーブリング(Graveling)と5人の研究所員が次の質問に答える広範な報告書を作成した。
非常に低濃度の殺虫剤を含む化学物質への曝露が人間に症状を引き起こすことがあるか? 
これらの症状は生理学的又は心理学的プロセスのためであるとする文書はあるか? 
 報告書は、病気の機序に対する異なった仮説に対し、非常に詳細で徹底的な検証を行っている(Graveling, 1999)。

2つの質問に対して正確な答えは出していないが、著者等は疫学的調査に基づき、MCSは実際のものであると結論付けている。

3.3.3 イギリス・アレルギー環境栄養医学協会(BSAENM)の報告書

 イギリス・アレルギー環境栄養医学協会(BSAENM)は、いくつかの医学分野のイギリスの医師たちからなる組織である。

彼等は臨床環境病モデルを強く強調しつつ、MCSに関する広範な報告書を作成した。

症状は食物アレルギーに関連し、明白な免疫学的特徴を持たないアレルギー性反応が原因機序の中にある。

いくつかの医学上の歴史が議論されているが、その中であるものはカレンの基準を満たさない(Eaton, 2000)。

3.4 国連/WHOの下での活動

国際化学物質安全プログラム(IPCS) ベルリン・ワークショップ 1996 年

 欧州委員会からの報告書の中の勧告のひとつは、ヨーロッパの状況を討議しMCSに関する情報と研究についての共同取組みを計画することを目的として、MCSに関する全ヨーロッパの専門家の会議を開催することであった。

上述の通り、その報告書は刊行されず、EUは勧告をフォローしなかった。

 一方、IPCS(国際化学物質安全プログラム)はWHO、ILO、UNEP、及びドイツ政府とともに1996年にベルリンで国際ワークショップを開催した。

アメリカ、カナダ及びいくつかのヨーロッパ諸国から専門家が参加するよう要請された。欧州環境総局の代表もまた参加し、化学産業界からの何人かの代表も参加した(IPCS- report of multiple chemical sensitivities, 1996)。

 ワークショップは上述したアメリカの会議に比較される。同じ専門家がアメリカから参加した。

ワークショップの最終文書は発行されなかったが、それは参加者が結論に同意することができなかったからである。80%が主要な結論を支持することができなかった。

 WHOはこの会議以来、何もしていない(pers. com. Dr. Younes, IPCS/WHO Geneva, 2001)。

3.5 結論

 ここでは、保健当局がアメリカ政府からの支援を得て実施したMCSに関する科学的活動を述べる。

MCS研究プロジェクトのための提案は高品質であり適切であると考えられ、ヨーロッパ/デンマークに研究のための示唆を与えた。

 多くの研究プロジェクトからの成果は比較的少ない。

MCSの原因機序は全体的に明確にされていない。

 アメリカ政府の下でのワーキング・グループの報告書は公式には承認されておらず、刊行されていない。

 MCSは公式には疾病として認知されておらず、診断、診察、及びリスクのあるグループの特定のための精密な手法は存在しない。

臨床環境医師と確立している医学者はお互いにアプローチしようとしない。