4:2005年3月 デンマークEPAの報告書多種化学物質過敏症 MCS | 化学物質過敏症 runのブログ

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1. はじめに
最近の数十年の間に新たな化学物質と製品の製造及び使用が増大している。環境と人に潜在的に有害である化学物質が、環境中のいたるところで見出されている。

 ほとんどの化学物質は、その有害影響がほとんど知られておらず、物質の制限は通常、その有害な影響が新たに判明し経験した後に行われるので、物質の規制はしばしば”後手”に回わる。

この問題を解決し、失った時間を取り戻すための政策が必要である。

 新たな化学物質が大きな社会経済的便益を提供する時には健康問題について主張することは難しく、そのために健康問題が十分に報告されないことがある。

しかし有害な影響が十分に報告されていない場合でも、予防的措置(precautionary approach)を導入することで、自然と健康に対する大きな配慮を可能にしてきた(Beltram, 1998)。

 上記の問題はまた、ほとんどの人々にはなんら害をもたらさないような非常に低濃度の化学物質に曝露しても体調が悪くなる一部の人々の健康リスクに関連している。

これらの人々の状態は多種化学物質過敏症(MCS)と呼ばれている。MCSの人は、通常の人は感じない非常に低い濃度の多くの数の化学物質に反応し、その結果、有毒影響を被る。

 最近の数十年間の毒物研究により、以前は”安全”であると見なされていた濃度でも、健康に害を及ぼす化学物質の事例が示されてきた。

複数の又はひとつの化学物質と他の環境要因の組み合わせは、ひとつの化学物質自身の影響と比べて、心身への悪影響を増幅することがある(例えばアスベストとタバコ、有機溶剤と騒音)。

 リスクに曝される可能性のあるグループ及びその現象の背後にある機序を特定するために、そしてまた、予防措置の緊急性を確立して、どのような措置をとるべきかを決定するために、これらのことがらは調査研究されなくてはならない。

 先に進む前に、当局は化学物質への曝露間の関連性、又は低濃度での化学物質への曝露と報告されている症状の組み合わせに関して文書化しておく必要がある。

 MCSについての既存の文書は、疾病と認知するための国際的に合意された医療科学基準に合致していない。当局は予防措置の基盤を持っていない。

 この疾病が近い将来、認知されるとう予想はない。

患者組織とMCSに苦しむ人々を除けば、デンマークではMCSについてほとんど目が向けられていない。