・ふ り が な 氏 名 学 位 学位記番号 学位授与の日付 学位授与の要件 博士論文名
論文審査委員
たかはしただつぐ 高橋忠嗣 博 士(工学 ) 新大院博(工)第259号 平成19年9月20日 学位規則第4条第1項該当 Preparation of Polyurea Microcapsules Containing Pyrethroid Insecticide with Hexamethylene Diisocyanate Uretidion and Isocyanurate
(ヘキサメチレンジイソシアナーテウレティディオンとイソシアヌュラーテによる殺虫剤包含ポリウレアマイクロカプセルの調製)
主査 教授 田中眞人 副査 教授 坪川紀夫 副査 教授 青木俊樹 副査 准教授 堀田憲康 副査 准教授 木村勇雄
博士論文の要旨
本論文は・膜材料としてヘキサメチレンジイソシアナーテウレティディオンとイソシアヌユラーテを 用い・エチレンジアミンとの界面重合によりごピレスロイド系殺虫剤を包含するポリウレアマイクロカ プセルの調製法の開発を目的になされたものである。
ポリウレアマイクロカプセルの調製は、イソシアネート単量体を用いてなされたものがほとんどであ ったが・悪臭による環境への負荷、機械的特性、熱的安定性などに問題があることから、2量体や3量 体のイソシアネートを用いたマイクロカプセルの調製法の開発が望まれている。
本論文の構成は以下の通りである。
第1章ではポリウレアマイクロカプセルの調製法の現状と応用分野について説明し、本論文の意義を示 している。
第2章では膜材料としてヘキサメチレンジイソシアナーテウレティディオンとイソシアヌユラーテを用いピレスロイド系殺虫剤を包含するポリウレアマイクロカプセルの調製を試みている。
そして粒径 が0・2μm~6・0μmにある単核型マイクロカプセルを高収率(93~98%)で調製する操作法を確立している。
第3章では膜材料としてヘキサメチレンジイソシアナーテイソシアヌユラーテ単独で、ピレスロイド系殺虫剤を包含するポリウレアマイクロカプセルの調製を試みている。
そして、球状で単核型マイクロ.カプセルを高収率(93~98%)で調製する操作法を確立している。さらに、シェルの成長速度とマイク
ロカプセル径およびモノマー濃度との関係を明らかにし、マイクロカプセルシェル厚のコントロ_ル を可能にしている。
第4章ではマイクロカプセル膜の化学構造を解析するために、膜材のみからなる微粒子を調製し、広角 X線回析・DSC測定及び個体13C
NMR測定により評価を試みている。
そして、広角X線回析及び DSC測定の結果より、膜構造が非晶質であること、固体13CNMRの測定結果から、反応後において もウレティディオンとイソシアヌユラーテ構造が維持されていることなどを明らかにしている。
第5章ではマイクロカプセルの諸特性(徐放性、機械的特性、熱特性、防虫効果)について評価を試みている。
そして、放出速度の比較からヘキサメチレンジイソシアナーテウレティディオンとイソシアヌユラ ーテから調製されたマイクロカプセルの放出速度は、ヘキサメチレンジイソシアナーテイソシアヌユラ ーテから調製されたマイクロカプセルの放出速度より遅いことを明らかにした。
また、機械的強度はマ イクロカプセル径とモノマー濃度に強く依存することを明らかにし、これらの相関式を導出している。
さらに・調製したマイクロカプセルをポリエステル繊維加工し、防ダニ試験及び防ゴキブリ試験を行い、 繊維素材に対してダニ忌避効果及びゴキブリ忌避効果を有し、耐洗濯性を備えていることを確認している。 第6章は総括であり、本研究の成果の総まとめである。
審査結果の要旨
本論文では・これまでに調製されているイソシアネートモノマーを用いたポリウレアマイクロカプセノ の問題点を指摘し・2量体・3量体イソシアネートを用いたポリウレアマイクロカプセルの調製法を開発 している。
そしてポリウレアシェルの化学的構造、機械的強度、シェル成長速度などを評価し、これまで のポリウレアマイクロカプセルと比べて、これらの特性が著しく改善されていることを明らかにしている。
さらに調製されたマイクロカプセルをポリエステル繊維加工し、防ダニ及び防ゴキブリ効果が顕著で あることを明らかにしている。
以上のように・本論文で展開された研究は、内容の独創性並びに新規調製法の開発は高く評価されるべ きものである・よって・本論文は博士(工学)の学位論文として十分であると認定した。
runより:要らんもん作るな(-""-;)