Q27. PM2.5 はどのように測定できるのでしょうか?
A 研究用・環境測定用としてPM2.5 を測定する粉じん計はありますが、数十万円します。
一般家庭であれば、空気清浄機に内蔵されているセンサーが目安になります。
Q28. 室内の PM2.5 を防ぐ方法はありますか。
A 室内でタバコやお線香を使用しないことが大切です。
調理の際にはフライパンを加熱する前に換気扇をオンにすること、換気扇のフィルターを定期的に交換して性能を保つこと、アルミホイルや天ぷらガードなどでフードの性能を高める対策が考えられます。
また、屋外の PM2.5 が高い日には PM2.5 が室内に入るのを防ぐために窓を開けないこと、ドアの開閉は最小限にすることも大切です。
Q29. 換気の考え方と目安教えてください
A 換気には①外気の取り入れ、②汚染物質の排出、③熱や空気の運搬などの働きがありますが、ここでは人体からの呼気や調理・開放型ストーブの排気ガス、臭気、ホルムアルデヒドなど建材・家具由来の化学物質、結露の引き金となる過剰な水分などが係る、②を念頭にお答えします。多すぎる換気は、冷暖房を妨げてエネルギーを浪費するばかりか、冬季には乾燥しすぎて健康影響を招く場合もありますから、原因を見極めそれに応じた対策をとることが大切です。
排気ガスや過剰な水分発生は家中に広がる前に、その時その場所から機械換気で排出してしまうのが原則です。
一方、発生場所や時期が特定できない人体、建材や家具、生活行為などには、全般換気の連続運転(建築基準法では毎時 0.5 回以上換気)での対応が義務付けられています。
連続機械換気が設けられていない場合には、窓を少し開けたままにする対応も可能ですが、換気量は外部の風速・風向、窓の配置などに依存するため一律に示すことはできません。
詳しくは、第 6 章 3 節を参照してください。
Q30. 室外の?気汚染に対する換気はどのように考えるのが良いでしょうか。
A 空気清浄器や中性能以上のフィルターを持たない一般住宅等の換気設備は希釈と排出のために設けられており、基本的に微粒子・気体の除去は期待できません。
PM2.5 や真菌(カビ)など外気の汚染濃度が室内濃度より高い場合には希釈できないばかりか、かえって汚染を呼び込むことになります。
個人や私企業での対策が難しいこれらに対しては、国・自治体や地域が「環境問題」として取り組む必要があります。
Q31. 薪やペレットストーブを使うときの注意事項はありますか?
A 薪やペレット(木質粉等を固化し扱いやすくした燃料)を用いるストーブは、再生可能な木材を有効利用する手段として注目されています。
「炎が見える」「新たな CO2 を排出しない」などが謳われますが、燃焼時に煤、PAH、(多環芳香族炭化水素、polycyclic aromatic hydrocarbon)や VOC を発生すること、(特に薪の)調達・保管・廃棄物処理に手間がかかること、火の粉・炭化対策等防火上の配慮などに注意が必要です。
Q32. ファンヒーター、開放型ストーブ等を使う時の注意事項は何かありますか?
A 近年、開放型ストーブやファンヒーターも急速に進化して、着火・消火時の異臭や、燃焼管理を改善した製品が増えています。
しかし、第 5 章 5 節、第 6 章にもある通り燃焼廃ガスや水分を室内に放出して室内空気を汚染し、結露の危険性も高めている事態に変わりはありません。
住宅自体が高気密化する中、室内に排気ガスを放出する機器の使用は是非控えるべきです。
Q33. エアコン使用時における注意事項を教えてください。
A エアコン内部はカビが繁殖しやすくなる場合があります。
カビ対策には冷房停止後、一定時間送風運転にして内部を乾燥されることが有効と考えられます。
また、フィルターの定期的な清掃を行う必要があります。
Q34. どのようにしたら、家の結露を少なくできるでしょうか?
A 冬季の表面結露を念頭にお答えします。
対策原理は、水分を低く保つか、表面温を露点温度より高く保つことの二点に尽きます。
水分の主な供給源は、室内での生活行為(調理・入浴・植栽・洗濯物干)や人体発生、外気(降雨)、地盤などなので、これらを見直した上で、空調換気設備があればそれを運用して管理することが最善の方法です。健康影響を生じない範囲を見極めてできる限り低めの湿度制御をする必要があります。
また、2 番目の対策原理「表面温度を高く保つこと」については、建物や窓の断熱を改善すること、暖房の行き届かない空間や壁面を作らないことをお勧めします。
原因、発生カ所、状況などによってアドバイスも多岐にわたります。詳しくは第 6 章 4 節を参照してください。