101;科学的根拠に基づくシックハウス症候群に関する相談マニュアル(改訂版) | 化学物質過敏症 runのブログ

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症状の個人差と関連する要因(表 9.2.4.)については、対象者の多くが「免疫力(7 名)」の問題に言及しています。

その他、体質、抵抗力の低下、アレルギー体質、遺伝的な要因、子どもやお年寄りは反応しやすい、さらには普段の食事(生活習慣)、ストレス、運動習慣によって影響を受けるという回答もありました。

なかには、性別は関係ない、年齢は関係ない、違いについてはよくわからないという回答もありました。

調査では、発症のメカニズムについても質問していますが、あまりよくわからない、イメージは漠然としていると回答する人が多く、回答としては「異物に対する防衛反応、異物を排除しようとする反応」、「異物に免疫で負け、症状がでる」、「体内に悪いものがたまって、許容量をこえると症状が出る」といった回答がみられました。

症状の低減または予防に有効と考えられる対策(表9.2.5.)については、「掃除(6 名)」と「建材などの原因を特定し取り除く(6 名)」、「換気・空気の入れ替え(5 名)」が多く挙げられました。

免疫力を上げる、ダニやカビの対策、食事に気をつけるといった回答もありましたが、本人や家族に症状の経験がないと、あまり具体的な対策は思い浮かばないような印象でした。

情報源については、ほとんどの対象者がテレビ(ニュース、特集、医学や健康のバラエティ番組)を挙げました。

ネットも多く言及されています。

また、内装業者やハウスメーカーの情報、シックハウス症候群の対策をアピールする物件の広告も参考にされていました。
シックハウス症候群の問題への関心度については、全体としてはあまり高くなく、「特に気にしていない」という回答が多く得られましたが、自ら症状を経験したことがある人は「よく考えている」と回答しています。
全体的に、もともとアレルギー症状が出やすい人あるいはシックハウス症候群と思われる症状を経験したことがある人は、関連する情報に対して比較的高い関心を持っていますが、そうではない人の関心はあまり高くなく、漠然とした知識にとどまる傾向がみられました。

関心がある人は、テレビの健康情報番組やネットを通して自発的に関連情報を探し、対策まで含めて詳細に把握している様子が伺えました。
インタビュー調査では、自由回答の質問に加え、シックハウス症候群に関連する用語(表 9.2.6.)について、知っているかどうか、またどのようにシックハウス症候群と関連すると認識されているか尋ねました。

VOC と MVOC については知っていると回答した人はいませんでした。

ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドについてはほぼ全員が聞いたことがある、知っていると回答し、多くが「身体によくない影響がある」という連想をしていました。

トルエンとベンゼンについては、2、3 人は聞いたことがないとしましたが、それ以外は知っているという回答で、揮発性、シンナー系のものを連想するという回答が多く得られました。

真菌については、カビという回答と何かわからないという回答に分かれました。

ダニアレルゲンやペットアレルゲンについては、多くの人は「アレルゲン」という言葉にあまり馴染みがないという反応でしたが、アレルギーに関連する用語ではないかという推測をする人が多くみられました。

化学物質過敏症については、あまり聞いたことはないが、その言葉の意味することはなんとなく推測することができる、という回答がみられました。

テレビの特集で化学物質過敏症の患者の様子を見たことがあり、よく覚えているという人も 2 名いました。
シックハウス症候群と温度・湿度、二酸化炭素、粉じんとの関連(表 9.2.7.)については、温度・湿度はシックハウス症候群と関連があり、症状が出やすくなると回答する人が多くみられましたが、二酸化炭素とタバコの煙については、シックハウス症候群との結びつきは思い浮かばないという回答が多く示されました。

特にタバコの煙に対しては、アレルギー体質の方にとっては苦手で不快だろうとしながらも、シックハウス症候群と関連させて考えたことはないという回答が目立ちました。

回答者本人が喫煙者である場合は、全く気にしたことがない、という回答でしたが、アレルギー症状の経験がある人はタバコの煙の有害性や健康影響の可能性を指摘しています。