・第Ⅰ部 序論
第 2 章 本書の活用方法と相談フローチャート
第 2 章 本書の活⽤⽅法と相談フローチャート
2.1. 活⽤⽅法
本書は、室内環境の重要性、本書の活用方法と相談フローチャート、シックハウス症候群の実態、室内環境に関わる規制、室内環境に関わる要因の把握、快適な室内環境の実現、用途・構造種別に応じた課題、居住者の年齢や季節に応じた予防、室内空気室汚染のリスクコミュニケーション、症状の出た住宅や職場などへの支援相談への対応)、本態性環境不耐症の順番で章立てられています。
また巻末には、内容別相談と回答例【Q&A】と、各種資料(室内濃度指針値、建築基準法、その他のガイドライン、地方衛生研究所一覧など)も記載されています。
シックハウス症候群や室内空気環境についての専門的な知識がない場合でも、本書を熟読することで、相談への対応が可能になります。
相談フローチャート(次項)を活用いただき、公正かつ適切なアドバイスの提供にお役立てください。
また相談を受ける際に、以下の点に注意すると、相談者の状況を把握しやすくなります。
相談内容を整理する対応ではまず、相談者の話をよく聞くことが大切です。相談者によっては、相談したい事項が整理されていない場合や混乱していることもあるので、相談者が知りたいポイントや問題が何であるのかを整理しながら対応することが必要です。
相談者の述べた内容を要約し、相談内容をさらに詳細に具体的にたずね、事実関係や問題を把握しましょう。
客観的・科学的なデータに基づいてアドバイスする、不確かな情報を伝えない、主観的な判断に基づいたアドバイスをしないように心がけましょう。
シックハウス症候群であるか否か、またシックハウス症候群の原因や対策などについても、必ずしも原因がひとつとは限らないうえに、環境要因の調査がいまだなされていない可能性はあげられるにしても、断定は避ける方がよいでしょう。相談者が医療機関で診断を受けていない場合は、相談者がシックハウス症候群であると思い込んでしまうことがないよう、相談が心理的な誘導にならないように注意しましょう。