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7月23日 18時56分
線香の煙が大気汚染悪化の原因か 台湾で大きな議論に
台湾では道教のびょうや仏教の寺などで手向ける線香などの煙が大気汚染物質PM2.5の濃度を高くし、環境問題につながっているとして大きな議論になっています。
道教のびょうや仏教の寺などが3万か所以上ある台湾では、日頃から多くの人が参拝し、線香を複数手向けたり、お金に見立てた紙を燃やして空に上がる煙に幸福や家族の健康などさまざまな願いを託します。
しかし、こうした宗教施設の周辺では、健康への影響が指摘されている大気汚染物質PM2.5の濃度がほかの場所よりも高く、環境問題につながっていると指摘され、去年1年間だけでもおよそ3000件の苦情が寄せられた環境当局は、手向ける線香などの数を減らすよう呼びかけています。
こうした当局の呼びかけについて、びょうや寺の関係者は、台湾で古くから続く伝統を壊すおそれがあると反発していて、23日はおよそ100の宗教施設の関係者が台北の中心部に集まり、デモ行進を行いました。
参加者した人たちは「線香の文化は長年続いてきた。
信仰を守り、線香の文化を守ろう」などと書かれた鉢巻きを頭に巻いたり、旗を掲げたりしながら総統府の前まで行進し、線香の文化を絶やさないよう訴えました。
参加した台湾南部のびょうの関係者は「線香は神と意思疎通するための重要な道具で、長年続いてきた文化は守るべきだ」と話していました。