・〔2004年12月議会での2回目の質問〕(04.12.14)
都市生活空間における薬害防止について
条件付きで一部薬剤散布を認めるアメシロ等樹木害虫防除助成事業が初年度の防除時期を終えました。
この間、産業技術総合研究所と国立環境衛生研究所が化学物質の脳神経発達への影響を突き止めた動物実験、千葉大学医学部が環境健康指導士養成講座を開設、東京都が化学物質の子どもガイドラインを策定、日弁連人権擁護大会で化学物質政策の策定を求める決議を採択する等環境化学物質が人体に及ぼす悪影響やその防止策について、国内でも研究、認識がまた一歩進んでいます。
そうした状況をも踏まえ、以下質問します。
(1)第1に樹木害虫防除新方式初年度の総括についてです。
捕殺防除以前の2000年に比べ総散布量は2.4%に抑えられたとのことですが、町会において散布することへの合意形成や周辺住民への配慮は十分に行われたのでしょうか。
また、助成制度の枠外とは言え、町会によっては単独で一斉薬剤防除を行っているとの情報も耳にします。
薬害防止、環境保全の観点から今年度の実績をどのように受け止め、どう今後の課題を認識しているのかお聞きします。
(2)第2に、農薬の影響を特に危惧されている子どもたちが通う学校での散布量にかなりの格差が見られるようですが、その要因等把握されているのでしょうか。
また、高齢者施設、水質管理センター、図書館他広範な公共施設で除草剤散布、学校農園付近での除草剤使用の実態も耳にします。
安易な薬剤散布の防止、散布量削減、散布方法の見直しなどについて庁内連絡会として十分な把握・検討・周知は図られているのでしょうか。お尋ねします。
(3)第3に、市立病院を含む医療機関、保健施設内における害虫駆除薬剤の使用についてです。今年11月17日付けで、各都道府県宛に厚生労働省医政局指導課長名で「医療機関におけるねずみ及び昆虫等の防除に関する安全管理について」通知が出されました。
そこでは、殺鼠、殺虫剤使用による患者等への健康影響防止の必要性、薬剤による駆除は必須ではなく、発生、生息、被害等の定期的統一的な調査を踏まえ、薬剤散布以外の方法を採用することや薬剤散布を最小限に抑える旨通知されています。
報道によれば、市内には、以前から防除業者と連携の上通知の趣旨にあるような配慮をもって防除を実施してきた民間病院もあるようです。
本市市立病院、保健衛生施設における施設内防除の現状についてお伺いします。
(4)第4に、化学物質過敏症対策についてです。
潜在患者も含めると、全人口中10%程度の化学物質過敏症患者が存在すると言われます。
地域保健法第6条の趣旨に則り、環境汚染を要因とする化学物質過敏症患者の生命、生活を支える上で、保健所の役割は極めて大きいと思われます。
患者個人への支援はもとより、患者数の把握、情報収集、研修、医療機関、学校、公共施設等への働きかけなど積極的な役割が期待されます。また、呼吸器、循環器系に特色をもつ市立病院において、化学物質過敏症治療を研究・実践するプロジェクトを立ち上げるなど、総合病院であることを活かした具体的な施策を展開すべきと考えます。ご所見をお伺いします。