-5:電磁波過敏症アンケート 2009 | 化学物質過敏症 runのブログ

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化学物質過敏症 電磁波過敏症 シックスクール問題を中心としたブログです

1.医療に関する問題
1)回答者の構成と受診状況
当団体は、2009 年 6 月から 10 月にかけて、電磁波過敏症と診断された人や電磁波過敏症だと自分で思っている人,電磁波に敏感だと感じている人に、会報やホームページからのダウンロードなどを通じてアンケート用紙を配布した。
電磁波過敏症を発症しているかどうか、おもな症状や体調不良の原因になる電磁波発生源、仕事や日常生活への影響、経済的な負担について質問している。
有効回答者数は 75 人で、女性 71 人、男性 4 人と圧倒的に女性が多かった。
年齢は 51.2 歳(女性 51.1 歳、男性 53.3 歳)だった。
「病院で電磁波過敏症、またはその疑いがあると診断された」のは 34 人(45.3%)、「診断されていないが電磁波過敏症だと思う」は 37 人(49.3%)、「過敏症にはなっていないが、電磁波に敏感な方だと思う」人は 4 人(5.3%)だった。
電磁波過敏症と多種類化学物質過敏症(MCS)は併発している人が多いといわれている。

アンケート回答者のうち、「化学物質過敏症、またはその疑いがあると診断された」は 37 人(49.3%)、「診断されていないが、化学物質過敏症だと思う」は 20 人(26.7%)、「過敏症にはなっていないが、化学物質に敏感な方だと思う」は 11 人(14.7%)だった。「診断された」と「思う」を合計すると、併発率は 76%に達した。

EHS:電磁波過敏症 MCS:多種類化学物質過敏症
電磁波過敏症だと思っている人に、病院で診断を受けていない理由を聞くと、「近くに専門病院がない」19 人(51.4%)、「電磁波(化学物質)に反応するため、外出が困難」が 8 人(21.6%)、「専門病院に関する情報がなく、どこを受診したらいいのかわからない」が 7 人(18.9%)だった。

また、「すぐに治療を受けるほど緊急性が高くない」が 4 人(10.8%)、「受診するお金がない」が 2 人(5.4%)、「専門病院に予約しているが半年待ち」が 1 人(2.7%)だった(複数回答)。
当団体では、2003 年にもアンケート調査を行っている。当時の有効回答者は76 人で、病院で診断を受けた人は 11.8%にすぎなかった。

2009 年の調査では45.3%で、この 6 年間で診断を受けた人は約 3.8 倍に増えている。

受診率が増えた背景には、2003 年当時よりも診療してくれる病院がわずかに増えたことや、電磁波過敏症の認知度が以前より高くなったことなどが考えられる。
それでも、回答者の約半数は受診できていない。専門病院に予約しても「半年待ち」という状況は異常であり、早急な医療体制の整備が求められる。
過敏症以外の慢性疾患がある人は 35 人(46.7%)だった。内訳は、花粉症 5 人、食物アレルギー2 人、アトピー性皮膚炎 2 人、鼻炎 4 人、ぜんそく 3 人、リウマチ 2 人、高血圧 3 人、子宮筋腫 2 人、アレルギー性結膜炎、がん、慢性疲労症候群、子宮内膜症、潰瘍性大腸炎、慢性腎炎、慢性甲状腺炎、膠原病(甲状腺機能低下症)各 1 人などで、免疫系疾患が目につく。
なお、右上腕反射神経性ジストロフィーと診断された 47 歳女性は、携帯電話基地局が屋上に設置されたマンションから転居した後、症状が改善したと答えている。

2)おもな症状
回答者が報告した症状は「疲労感・倦怠感」64 人(85.3%)、「頭痛」「集中力・記憶力・思考力の減少」がそれぞれ 61 人(81.3%)、「睡眠障害(夜間の不眠・寝付きが悪い・夜中に目が覚める)」57 人(76.0%)など多岐にわたる(詳細は 25 ページ、付表 1 を参照)。
「動悸」は 36 人(48.0%)、「ひん脈・不整脈」は 30 人(40.0%)だが、心臓の問題として、この二項目を合わせると 66 人(88.0%)に達し、最も多くなる。
また、「電磁波過敏症、またはその疑いがあると診断されたグループと、「診断されていないが電磁波過敏症だと思う」グループ、「電磁波に敏感だと思う」グループで、症状の数を比較すると、「診断」されたグループの症状が最も多く、「電磁波過敏症だと思う」を 2 ポイント上回った。

「敏感だと思う」グループは、自覚症状が最も少なく、「診断された」グループの約 33.1%だった。