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http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/health/health/1-0391113.html
化学物質過敏症 「苦しみ同じ」切実な声 「通学できない」「働けず実家暮らし」
04/19 07:00、04/19 09:17 更新
化学物質過敏症に悩まされるAさん。自宅での取材中、呼吸をするのもつらそうだった
柔軟剤やたばこの煙など日常生活にあふれる化学物質に苦しむ化学物質過敏症(MCS)を紹介した記事「化学物質過敏症 苦しみわかって」(3月22日掲載)について、読者からさまざまな意見が寄せられた。
「私も同じ症状で苦しんでいる」「子どもがMCS。親としてどうすればいいのか」―。
こうした切実な声や、専門家の意見などを紹介する。
「生きていくのがつらいんだよ」
約5年前にMCSを発症したという70代の男性Aさん=札幌=は、電話口で苦しそうに言った。
Aさんは独り暮らし。自宅を訪ねると、リビングで3台の扇風機と大きな換気扇が回っていた。
化学物質が滞留しないよう24時間回しっぱなし。机にはビニール製の袋に入った道新の記事の切り抜きがあった。
「新聞のインクでも具合が悪くなるから」だという。
インクのほか、洗剤、柔軟剤など、あらゆる化学物質に体が反応し、息切れや頭痛、倦怠感(けんたいかん)に襲われる。
服に付着した化学物質にも反応するため、3年以上、同じものを洗濯せずに着続けている。
元の色が分からないほど変色し、すり切れた服に「これじゃあ、こじきと同じだ」と嘆いた。