ディーゼル排ガスおよびナノ粒子曝露の生体影響におけるマイクロRNAの関与 | 化学物質過敏症 runのブログ

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https://www.jstage.jst.go.jp/article/toxpt/41.1/0/41.1_S7-1/_article/-char/ja/
ディーゼル排ガスおよびナノ粒子曝露の生体影響におけるマイクロRNAの関与
*立花 研1), 武田 健1)

1) 東京理科大学総合研究機構戦略的環境次世代健康科学研究基盤センター

公開日 20140826  
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抄録

転写産物の網羅的な解析の結果、その多くがタンパク質をコードしないノンコーディングRNAであることが報告された。

ノンコーディング RNAの一つであるマイクロRNA(miRNA)は約22塩基の小分子RNAであり、主にmRNAの分解や翻訳抑制を行っている。

これまでに1000以上のmiRNAが同定され、様々な生命現象に関与することが報告されている。

また、その発現の変動ががんや神経系疾患など様々な疾患に関与していることも明らかとなってきている。

これらの疾病のみならず、様々な化学物質によって引き起こされる健康影響にもmiRNAが関与していることが推測されるが、毒性学分野におけるmiRNA研究は漸く始まった段階である。
我々は、これまでにディーゼル排ガスやナノ粒子などの曝露によって様々な生体影響が生じることを報告するとともに、この生体影響へのmiRNAの関与について検討を行ってきた。ディーゼル排ガスやナノ粒子の曝露が様々な組織においてmiRNAの発現に変動を及ぼすことを見出し、また、その発現変動がどのような生体機能に影響を及ぼすか検討を行った。近年、miRNAが様々な体液中に存在することが明らかとなっており、体液中miRNAが様々な毒性を検出するサロゲートマーカーとして有用である可能性が考えられる。

現在、血液等、体液中のmiRNAの変化についても検討を進めている。本発表では、毒性学分野におけるmiRNA研究の一例として我々の研究結果を紹介したい。


runより:miRNA(micro-RNA)とは、遺伝子発現を抑制する効果を持つ21~25塩基程度の一本鎖RNAです。

 ゲノム上にコードされていますが蛋白質へは翻訳されないnon-cording RNAで、分化、細胞増殖、アポトーシスなどの生物にとって欠かすことのできない生命現象に深く関わっていると考えられています。