豊洲市場のベンゼンって何? | 化学物質過敏症 runのブログ

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質問なるほドリ

豊洲市場のベンゼンって何?=回答・鳴海崇

毎日新聞2016年9月11日 東京朝刊

発がん性ある物質 都市ガス製造で蓄積
 なるほドリ 土壌汚染(どじょうおせん)で東京の築地市場(つきじしじょう)が引っ越しできなくなったって?

【盛り土がされず空間が広がっている地下の写真】
<小池知事が豊洲に抱く三つの疑問とは>
 記者 11月7日に予定されていた東京都中央卸売(おろしうり)市場築地市場(中央区)の豊洲(とよす)市場(江東区)への移転開場について、小池百合子(こいけゆりこ)都知事が延期を決めました。

豊洲市場予定地の東京ガス工場跡地から2008年に環境基準値(かんきょうきじゅんち)の4万3000倍に達するベンゼンが検出され、14年11月から続いている地下水のモニタリング調査が終わっていないためです。9月中にプロジェクトチームを発足させ、移転するかどうか改めて検討します


 Q ベンゼンって?

 A 無色で引火性(いんかせい)の高い液体の化学物質(かがくぶっしつ)です。

製品評価技術基盤機構(せいひんひょうかぎじゅつきばんきこう)(NITE)によると、ガソリンに含まれるため、大半の発生源は車からの排ガスです。

豊洲の場合は都市ガスが製造される際にできて、蓄積(ちくせき)されたとみられます。

発がん性があり、目や喉(のど)など粘膜(ねんまく)への刺激(しげき)や皮膚(ひふ)の炎症(えんしょう)などを引き起こし、高濃度になると目まいや頭痛、嘔吐(おうと)といった中毒症状が出ます。

 Q そんなに危険な化学物質が、食べ物を扱う場所で検出されて大丈夫なの?

 A もちろん汚染水が食品にかかったり水道水に混入したりしたら問題です。

都は858億円をかけ土壌汚染対策工事をしました。

 Q でも工事が説明通りじゃなかったんだって?

 A 食品を扱う主な建物の下で盛り土を行っていなかったことが判明しました。

専門家によると、盛り土がなければベンゼンを遮断(しゃだん)して漏出(ろうしゅつ)を防ぐことが難しくなります。ベンゼンは気化(きか)しやすいので、市場で働く人や訪れた人が吸い込んでしまう事態(じたい)を警戒(けいかい)すべきです。

ただ、これまでの地下水の調査では、ベンゼンは環境基準値を下回っています。建物の内部、周辺とも基準値以下のままです。

 Q 安心していいのかしら。

 A かつて汚染されていた事実は消えず、不安な消費者もいるでしょう。

「日本の台所」として成功するためには、徹底(てってい)した調査と対策、情報の開示(かいじ)が求められます。(生活報道部)

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