難病患者、悩み語れるカフェ | 化学物質過敏症 runのブログ

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・難病患者、悩み語れるカフェ 就労の不安を気軽に
伊藤繭莉2017年1月9日07時55分
治療法が確立していない難病の患者らが、カフェでお茶を飲むような雰囲気の中で相談・交流する「難病カフェ」が全国に広がっている。

集う人の多くが訴えるのは、医療だけでなく就労をめぐる悩み。

「病と向き合いながら、どう働き続けるか」が共通の課題として浮かんでいる。

 福岡・天神の一角にあるビル1階のレンタルカフェスペース。

患者らでつくる「難病NET.RDing(リーディング)福岡」は昨年10月、2回目のカフェを開いた。

しゃれた空間に患者が次々訪れ、すぐに満員に。

福岡県難病相談・支援センターの支援員やハローワークの就職サポーターらも駆けつけ、手作りドーナツやコーヒーを片手に、就職活動や職場での体験を話す人もいた。

 参加者の30代女性は中枢神経に炎症が起きる多発性硬化症と闘う。

大学卒業後、正社員となったが、症状の悪化でパートに転身せざるを得なかった。

今は病気を隠し、派遣社員として働くが、疲れがちなため休憩をとると、サボっていると誤解されるという。

「それぞれの悩みに共感できた。友達にも話せないことを話せてうれしかった」

 ログイン前の続き「RDing福岡」を2014年に仲間と立ち上げた代表の池崎悠(はるか)さん(24)は、難病への理解と就労の促進を活動の核にしたいという。

きっかけは、自らが九州大学文学部に在学中に経験した就職活動だった。

 手先や足先に運動障害や感覚障害が出る慢性炎症性脱髄性多発神経炎を15歳で発症。

積極的に病気を説明し、闘病経験も生かして働きたいと訴えたが、採用されなかった。今は病院の契約社員として働く。

「医療ケアは良くなっていて働ける人は多いのに、社会が追いついていない。難病への理解を広げていきたい」

 「難病カフェ」の取り組みはこの1年ほどの間に全国に広がった。茨城県の水戸市やつくば市、千葉県成田市、東京都立川市、北九州市、福岡市、佐賀市、長崎市などで開かれている。

 厚生労働省によると、国の医療費助成の対象となる306の指定難病で助成を受ける人は昨年3月末現在で約94万人。

疾病ごとの患者会は以前からあるが、難病カフェはより自由に出入りでき、共通の悩みを気軽に語り合える場を求める声に応えて生まれた。

医療や労働の専門機関と連携し、ワンストップの相談の場として開くところもある。

 千葉県成田市で昨年4月から数カ月おきに患者らが開く「N―Cafe」でも就労問題は関心の的だ。

 外見では病気とわからない人も多いため、「求職時に明かすべきか」「履歴書にどう書くべきか」という悩みが多く寄せられる。

社会保険労務士の岡佳伸さん(41)は「採用時に隠すと、病気で仕事に支障が出て解雇されても法的に妥当とされてしまう」などと不利益を受けるおそれを伝え、理解がある企業を探すよう助言しているという。

 N―Cafeを主宰する小倉久恵さん(41)も不安定な就労に悩む。公務員の在職中、紫外線に皮膚が過敏に反応し、過労などで湿疹や臓器障害が出る全身性エリテマトーデスと診断され、2年後に退職した。

「少人数の部署で他の人の負担になるため、長く休むのに抵抗があった」

 別の病気も併発し、今は事務のパート収入と障害年金で暮らすが、「先が見えない不安」が強い。

将来的には人材を求める協力企業を募るなどし、患者の就職を直接、後押しする活動にも取り組みたいという。

■制度整備、なお高い壁 「働ける」啓発必要

 がんや難病患者の就労支援は、昨年9月に発足した政府の「働き方改革実現会議」でもテーマの一つだ。

安倍晋三首相も障害者や難病患者が働きやすい社会の実現にしばしば言及する。

 厚労省は昨年2月、職場環境の改善に向け、事業者らを対象としたガイドラインを作った。

全国のハローワークには「難病患者就職サポーター」がおり、雇用する事業者向けの助成金もある。

採用での差別などを禁じた障害者差別解消法は難病患者も対象だ。

 だが、なお壁は高い。

厚労省によると、15年度、障害者手帳のない難病患者のハローワークへの新規登録は4747件と10年前の30倍以上に増えたが、就職は1915件。助成金を受けた事業者による難病患者と発達障害者の雇用も776件にとどまった。

独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の15年の調査では、過去10年間に就労した難病患者の4割強が病気に関連した離職を経験していた。

 同機構主任研究員の春名由一郎さんは「症状が変動しやすいことが影響している」と指摘し、「体調がいい時と悪い時に応じて業務水準を調整できることが望ましい」と雇用者側に配慮を求める。

「制度は整ってきたが、『難病患者は働けない』という先入観から理解が進んでいない。育児中の人と同様、配慮があれば働けると啓発する必要がある」(伊藤繭莉)

■全国の難病カフェと問い合わせ先(またはウェブサイト)

・ほっとcafe RDing(福岡市)

rdingfukuoka@gmail.com

・なんくるかふぇ(北九州市)

https://www.facebook.com/nankurucafe/ 別ウインドウで開きます

・難カフェ(佐賀市)

0952・32・0670(地域活動支援センター 難病サポートあゆむ)

・NAGASAKIの小さな難病カフェ(長崎市)

095・879・7000(奥村さん)

・難病カフェ アミーゴ(水戸市・茨城県つくば市)

nanbyoucafe.amigo@gmail.com

・N―Cafe(千葉県成田市)

fortuna.hisae@gmail.com(小倉さん)

・日向ぼっこカフェ(東京都立川市)

raiden1959@gmail.com(「今を生きる!」難病の会、平井出さん)