脳の中の内分泌かく乱物質 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出典;化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/index.html

・グランジャン博士のウェブサイト
Chemical Brain Drain - News 2016年6月15日
 脳の中の内分泌かく乱物質

 情報源:Chemical Brain Drain - News, 15 June 2016
 Endocrine disruptors in the brain
 By Philippe Grandjean, MD
http://braindrain.dk/2016/06/endocrine-disruptors-in-the-brain/

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
 掲載日:2016年6月26日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/kodomo/CBD/Endocrine_disruptors_in_the_brain.html


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【2016年6月15日】 本日、当初の期限より2年遅れて欧州委員会は、数年前に世界保健機関によって提案された定義に従い、ある工業化学物質は内分泌かく乱物質として分類されるべきという結論を発表した。

この分類は、科学的証拠の重みに依存しなくてはならない。

従って、消費者と環境関連 NGOs は欧州委員会は十分ではないという懸念を表明する一方で、産業団体は、この新たなリスクのタイプの考慮に反対した。

そこで発達中の脳を、脳の成熟に重要なホルモン物質を阻害するかもしれない化学物質から守るという点で何を意味するのであろうか? 残念ながら大きな影響はない。

  恐らく、脳の発達にとって最も重要なホルモンは甲状腺ホルモンである。

甲状腺を阻害する工業化学物質を遮蔽するということは合理的であろう。

しかし、この分野の科学はまだ発展途上であり、遮蔽手順はまだ十分に確立していない。

OECD は、げっ歯類で毒性を調査するための標準手順を開発しているが、それらは時間がかかりすぎ、また高価である。

  エストロゲンは、性的二形(訳注:性別によって個体の形質が異なる現象)機能を含む脳の発達のために重要なもう一つのホルモンである。しかし、エストロゲン影響のテストは単純ではない。

米・国立毒性学研究センターの最近の研究は、エストロゲン様化学物質であるビスフェノールAは、主要な標的器官であると考えられてきた子宮の中で影響を引き起こす濃度より 120,000 倍低い濃度で、新生仔ラットの脳に有害影響を引き起こすことができることを示した。

  昨年、研究者のある国際的グループが内分泌かく乱物質への暴露により EU に生じるコストを評価した。

その最大コスト(年間 1,000億ユーロ以上)は、有機リン系農薬による脳への有害影響によるものであった。

これらの化学物質は、甲状腺に影響を及ぼすことができるので内分泌かく乱物質であるとみなされ、したがってそれらは、コスト計算に含められた。

しかし我々は、ホルモン阻害が人間の脳の発達に有害であることの理由だと知っているであろうか? 我々は知っていない。

  欧州委員会が、脳の発達への有害影響について科学的評価が必要性であると言っても、おそらくその必要性は正当化されないであろう。

したがって、工業化学物質を内分泌かく乱物質として認めるための厳格な基準は次世代の脳を保護する戦いで役に立たないであろう。

  なぜ、化学的脳汚染物質への暴露を防止することを優先し、EU の予防原則を適用しないのか?