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ドクターitsukoのアトピーコラム
増え続ける化学物質過敏症とアトピー
更新日:2014/09/02
理学博士 田中伊都子
春は、新入学や転勤などで引っ越しの多い季節です。
また、アトピーも憎悪する季節で、原因のひとつに、引っ越しによって化学物質にさらされるということがあげられます。
新築住居やリフォームした後に、ニオイが気になる・イライラする・頭痛・のどの痛み・目がチカチカする・倦怠感・集中力の低下・下痢・関節の痛みさらには、セキ・喘息などの呼吸障害や、アトピー・湿疹などの皮膚トラブルの悪化がおこることがあります。
日本では、住居で起きるものをシックハウス症候群、オフィスビルや病院などの住居以外の建築物で起きるものを特にシックビル症候群と呼んでいます。
なぜ住居で皮膚トラブルが起こるのか
この症状はさまざまで、化学物質過敏症のひとつであるシックハウス症候群といわれるものですが、どのような化学物質が私たちの身体に影響しているのでしょうか。
よく知られているものに、ホルムアルデヒドがあります。
ちなみに標本に使うホルマリンはホルムアルデヒドを水に溶かしたものです。
建築資材の合板、壁紙やフローリングの接着剤からでるホルムアルデヒドは、皮膚や粘膜に対する刺激作用が強く、呼吸器の障害を起こすほか、中枢神経障害の原因のひとつといわれています。
揮発性有機化合物(トルエン・キシレン・ベンゼン・パラジクロロベンゼンなど)、塩ビを中心としたプラスチックを軟らかくするために用いられる可塑剤(かそざい)、そのほとんどが酸とアルコールから合成される化合物(一般にエステルといわれるもの)です。
さらにフローリングの加工やウレタンホーム、アクリル樹脂などの合成樹脂に使われる有機リン剤も、IARC(国際がん研究所)から発がん性を指摘されています。
車にも注意が必要です
また、新車でも同じようなことで、シックカー症候群と呼ばれています。
昭和の高度成長期以来、化学物質があふれ、それとともにアトピー患者が増加しています。化学物質過敏症という括りの中でアトピー症状を訴える患者さんは多いのです。
化学物質を出来るだけ体内に取り込まない、化学物質を避ける生活をすることが、アトピーの症状を悪化させないためには大切なことです。
日常生活で心がけてほしいこと
1.こまめに換気をする
WHO(国際保健機構)の指導要項で住宅の場合には1時間に1度の空気の入れ替えが重要だとしています。
2.デトックス
揮発性有機化合物などは、脂肪に蓄積されやすいので、半身浴やサウナで脂汗を出すこと。
ホルムアルデヒドは水溶性なので、お水を飲むように心がけましょう。
3.ビタミン・ミネラルの補給
代謝の促進のため、特に葉酸が有効といわれています。葉酸は、緑葉野菜、レバー、豆類、殻類、ナッツ、根菜にたくさん含まれています。