・http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/tsuushin/tsuushin_04/pico_74.html
出典;化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/index.html
投稿/「複合汚染」から化学物質過敏症へ
匿名(東京都)
●「複合汚染」を読んで、気をつけていたのに
20年程前、有吉佐和子著の「複合汚染」を読んでから、合成洗剤を石けんに変え、生協や自然食品店で野菜などを購入し、インスタント食品や外食は少なく、完璧とはいえないものの、それなりに気をつけた生活をしてきました。
それにもかかわらず、シックハウスに住んでいるわけでもないのに、半年前に化学物質過敏症(以下・過敏症)を発症してしまいました。
頭髪検査では砒素・水銀・鉛・アルミニウムの有害物質の数値が高いことがわかりました。
過敏症になってから祖母も過敏症だったらしいことが分かり、体質的にも弱い事と、東京の大気汚染その他様々な微量の化学物質が複合され身体に蓄積されたことが、過敏症になった原因のようです。
まさに「複合汚染」です。
●10年前から化学物質に敏感に
今思えば、過敏症になる10年位前から化学物質に反応していました。
水道水を加湿器に入れると塩素臭い水蒸気が室内に広がるので浄水器の水を使うようになり、他人の使用している柔軟剤の臭いが気になり始めました。
5年位前には、ホームセンターの合板を積み重ねたコーナーには臭いがきつくて近づけず、近所の工場の排気の臭いが気になるようになり、室内のほんの微量のカビにも反応するようになりました。
1年前からは、デパートなどの化粧品売り場では苦しくて呼吸が出来ないので息を止めて通り過ぎ、気になっていた工場の前も、トイレなどで芳香剤を使用しているところでも呼吸を止めるなど、意識的にまた、無意識のうちに色々な化学物質から逃げるようになっていました。
それでもまだ、自分が過敏症になるとは思ってもいませんでした。
過敏症のことは知ってはいたものの、まだ、この病気の本当の大変さは分かっていなかったことを反省しています。
この時点で解毒のための努力をしていれば、発症しなかったのではないかと思っています。
直接の原因につながったのかどうか分かりませんが、私は毎日ビールを中心にアルコールを飲んでいました。
それが過敏症になって一滴も飲めなくなりました。
肝臓が、化学物質の解毒に力をそそいでアルコールを受け付けられなくなったとのことです。今は、アルコールを飲んでいた時間をジョギングやサウナなど、解毒のために使っています。
もう少しアルコールを控えていれば、肝臓が化学物質を解毒していたのではと、これも反省をしています。
●ペンキ塗りをした翌日、発症
今年4月、物置のペンキ塗りをした翌日、外に出ると合成洗剤の強い刺激で鼻が痛くなり、5月にはめまい・吐き気・微熱で寝込みました。
その後、様々な化学物質に反応してしまい、行動が制限された生活を強いられています。
5階建ての建物に住んでいるのですが、天気の良い日は皆さん洗濯物を干すので、合成洗剤・柔軟剤・漂白剤の臭いで、マスク無しでは外に出られません。
バス・電車には、マスクをしても化粧品・香水・制汗剤・整髪料の臭いがきつくて乗ることが出来ません。
一度タクシーに乗った時は、タバコのヤニの臭いで、マスクの上にタオルを当てても苦しくて、その後ニ度と乗らなくなりました。
今まで自由に外出していたのが出来なくなりました。
●保育児の保護者や仕事仲間の理解を求め
私は区から委託を受け、自宅で8か月から3才までの乳幼児を5人保育しています。
子ども達の衣類の洗剤にも反応するので、保護者の方々に過敏症のことと、合成洗剤の有害性の話をして石けんに切り替えてもらい、子ども達の生活環境、食事のこと、何が良いのか悪いのか、話し合うようになりました。
保育スペースを含む家全体が、患者の私でも過ごしやすいよう化学物質を排除してありますので、今後は過敏症患者さんのお子さんの受け入れも考えています。
すべての患者さんが大丈夫とは限りませんが・・・。
また、仕事仲間にも、過敏症のために仲間が集まる研修会や会合に出られない事情を説明し、「子どもと化学物質」のことを考えてもらうよう手紙や投稿などで訴えています。
原因物質の特定されない過敏症だけに何から逃げて良いのか分からない状態です。
実家が静岡県の過疎化している漁村にあるのですが、田舎に帰るとマスク無しで生活ができ、気管支から肺にかけて気持ちがいいのが分かります。田舎では化粧をしている人や、芳香剤を使っている家が少ないもの助かります。
便利さ・安さ・表面的清潔感だけに押し流されていく都会的生活の見直しと、不必要な化学物質の使いすぎを見直すことが、過敏症患者を増やさない事につながるのだろうと思います。
タバコを吸わず、食べ物などには気をつけて健康生活をしている皆さんも、車の排気ガスなど大気汚染には曝されています。
他人より化学物質の臭いに敏感になっていると感じたら、早めに解毒をし、私たち患者の仲間にならないよう気をつけていただきたいと思います。