・第19回シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会 配付資料
室内空気中化学物質の指針値の見直しの仕方等について
平成 25 年 8 月 1 日
第 17 回シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会資料
1.趣旨
いわゆる「シックハウス問題」に対応するため、平成 14 年までに、13 種類の化学物質について「室内濃度指針値」の設定が行われた。
その後、約 10 年が経過し、指針値が設定されている化学物質(クロルピリホス等)の代替物質として新たな化学物質が使用されているとの指摘があること、SVOC(準揮発性有機化合物)の概念が出てきたこと、細菌由来の VOC(揮発性有機化合物)類が検出されていること、WHO空気質ガイドライン等の動向と整合を検討する必要があること等から、改めて、当該指針値の超過実態を把握するとともに、化学物質の発生源と室内濃度との関係に係る科学的知見を踏まえ、室内濃度指針値の設定のあり方、見直しの仕方等について検討する。
2.新たに指針値を設定する化学物質の採用に当たり考慮すべき項目
(1)WHO空気質ガイドライン等における指針値
国内で指針値が設定されておらず、WHO空気質ガイドライン等において室内空気中の濃度として指針値等が設定されている化学物質については採用を検討する
(例: ベンゼン、ナフタレン)。
ただし、下記(2)①の居住環境内における実態
調査等により室内濃度が海外の指針値を十分に下回っている場合には採用しない
(例: トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン)。
(2)居住環境内における揮発性有機化合物の実態調査等の結果等
① 居住環境内における実態調査等において定性的もしくは半定量的に検出された国内で指針値が設定されていない化学物質について、詳細な暴露濃度データを収集する。
高濃度・高頻度で検出された化学物質を対象として、採用を検討する。
② 室内濃度/室外濃度(I/O)比等の情報から、室内発生源の寄与が低いと考えられる化学物質は採用しない。
(3)家庭用品等からの化学物質の放出量の検討結果、シックハウス関連研究の知見等過去数年の家庭用品等からの化学物質の放出量の検討結果、シックハウス関連研究(疫学研究等を含む。)の知見等から対象とする化学物質をリストアップし、採用を検討する。
3.指針値の設定の検討方法
(1)上記2.(1)~(3)により採用を検討するとされた化学物質について、暴
露評価、初期リスク評価を経て、これまでに指針値が設定された化学物質の主要な用途/発生源について考慮しつつ、個別の化学物質の詳細な暴露評価及びリスク評価を行う。
この結果を踏まえ、検討対象となる化学物質の候補をリストアップした上で優先付けを行い、指針値の設定を検討する。
また、指針値の設定数は、関係者が対策を講ずるに当たり、実効性のある範囲とする。
参考資料2
(2)各指針値について、健康影響の種類別にカテゴリー分けすることも考慮する。
可能な場合には、慢性・急性それぞれについて指針値を設定することも検討する。
4.総揮発性有機化合物(TVOC)の暫定目標値の取扱い
健康影響を加味せず、国内の室内 VOC(揮発性有機化合物)実態調査の結果から、合理的に達成可能な限り低い範囲で決定した総揮発性有機化合物(TVOC)の暫定目標値について、最新の知見等を踏まえ、その取扱いや測定の意義などについて検討するとともに、試験法の見直しを行う。
5.その他の課題
○ 小児等のハイリスク群の指針値のあり方
○ 空気・ハウスダスト中の化学物質を監視するシステムの構築
○ SVOC の暴露評価方法
runより:主にナフタレン(ナフタリン)の評価が行われた様ですがこの記事だけ掲載します。