http://www.sankei.com/west/news/160913/wst1609130023-n1.html
壁紙の接着剤、柔軟剤、防虫剤…暮らしに潜む化学物質過敏症への理解を 専門医が講演
「化学物質過敏症(CS)」について解説する医療講演会が11日、大阪市平野区のコミュニティプラザ平野(平野区民センター)で開かれた。
CS専門医で同市中央区のクリニック「ふくずみアレルギー科」の吹角隆之院長が症例を交えながら治療法を説明し、患者や患者の家族ら約30人が話に聞き入った。
病気への理解を
CSは暮らしの中にある化学物質によって発症する身近な疾病にもかかわらず認知度が低いため、周囲の理解が得られず患者が孤立するケースが多い。
今回の講演会は、平野区のCS患者が、病気への理解を深めることで早期発見につなげられればと考え企画した。
吹角院長は講演で、家や会社にある壁紙の接着剤や家具、床せのワックスなどに含まれる化学物質が原因で発症するケースが多いと指摘。
化学物質の発生源は他にもたばこや柔軟剤、防虫剤などと無数にあり、「住環境の浄化が必要。そのためには家族の協力が治療の第一歩だ」と強調した。
長男の症状から、CSの可能性を疑い参加した大阪市の女性(70)は「芳香剤などが息苦しいという息子の訴えがずっと理解できなかった。
これからは一緒に生活を見直していきたい」と話した。
化学物質過敏症(CS) ある化学物質を一度に多量に、または少量を慢性的に浴び、許容量を超えたときに突然発症する病気。
その後は発症原因となった化学物質に限らず、ごく微量のさまざまな化学物質に拒否反応を示すようになることが多い。
頭痛や倦怠感、不眠など症状は多岐にわたる。