・http://www.mynewsjapan.com/reports/1354
NTTドコモがMyNewsJapan配信を拒否
08:01 12/30 2010
渡邉正裕
検閲を受けたきわめて恣意的な情報しか流されていないことに国民は気付いていない
共同通信が運営するケータイ向け配信システム「NEWSmart」で、NTTドコモが先月までに、MyNewsJapanの記事配信を拒否したことが分かった。
詳しい理由は開示できないというが、同システムでコンテンツの内容で拒否した例は過去に1つもないことから、弊社が電磁波問題をはじめとするケータイ業界にとって都合の悪い記事を掲載していることが原因なのは明らか。
このような事例からも、新規参入を巧妙に阻むアンフェアな日本経済の本質が見えてくる。
MyNewsJapanは今年、ケータイ向け配信を模索していたところ、共同通信が運営しているニュースのショッピングモール「NEWSmart」が声を掛けてきたため、このプラットフォームに乗ることとし、年内のスタートを目指していた。
ところが、打合せを終え、各種資料を揃えて提出したところ、先月(11月)、共同通信社の携帯プラットフォーム担当者から、次のような連絡を受けた。
先程、ドコモより連絡があり、今回の企画はお受けできません、との返事をいた だきました。
詳しい理由は開示していただけないのですが、特定の企業、特定の業界に対しての批判ともとれるコンテンツがあり、iモードの掲載基準に反したコンテンツであると判断されたことが1つの原因のようです。
言論報道メディアにもかかわらず企業や業界に対して批判をしてはいけない、という。毒にも薬にもならないエンタメ情報だけ流せというのか。
こういう頭がおかしい企業を相手にしても意味がないのだが、これが現実に存在している業界トップ企業だ。
ようは、ジャーナリズム企業としては当然のことながら、タブーなくケータイ業界についても報道していることが理由なのは、明らかだった。
なにしろドコモにとっては耳の痛い話が、MyNewsJapanでは毎月のように報じられている。
・ケータイ1日20分以上通話で脳腫瘍リスク3倍 税金投入の国内研究結果を隠す総務省
・携帯基地局の情報不開示問題、住民の命より企業利益を優先する総務省
・NTTドコモ基地局公害 住民が電磁波過敏症の被害訴え長距離「ウオーク」
・「総務省マネー」に毒されケータイ電磁波安全宣言する研究者たち
・『あぶない!あなたのそばの携帯基地局』発売
・1人3千万円も…NTTマネーに歪められる政策決定、公共事業50億の見返り
・「妊娠中のケータイ使用で子どもの行動障害1.4倍」の研究結果、報道も調査もない日本
ケータイの電磁波問題は、特に力を入れているわけではないが、マスコミが扱えない最先端の問題を報じる弊社で、今年はこのテーマを複数の記者が自然と取り上げるようになり、記事が増えている。
数年前のトヨタ問題のようだ。
つまり近々、大きな社会問題として顕在化する可能性が高い。
もちろんドコモは、自分が批判されているから配信できません、と明言すると通信事業者としてはコンプライアンス上問題になるため、弊社が共同通信を通じて求めた文書での回答に対しても、これ以上詳細な理由は言えないとのことだった。悪事を働く権力サイドがよく見せる典型的な不誠実な態度である。
これは想定されたことではあったため、弊社としては申請の段階で、通らない可能性はありうるのか、と尋ねていたのであるが、「同じ内容のサービスが既にあって競合する場合を除き、過去にサイトの内容が問題とされて申請が通らなかった例は一度もないから大丈夫だ」(担当者)という返事だった。
NTTドコモはそもそも国民の財産を引き継いだ企業であり、公共性の高いインフラ事業者である。しかもケータイ業界でのシェアが約5割と支配的な地位にあることから、独占禁止法における優越的地位濫用の疑いも強い。
MyNewsJapanは支配的地位にあるドコモから排除されることで、ドコモが携帯通話料と同時に料金を徴収するという、ケータイ向けニュース配信ビジネスの同じ土俵にすら乗れないことから、機会損失は大きい。
現在、損害賠償請求を検討中である。
日本はこのように、目に見えない規制でがんじがらめとなっており、それを取り締まる法律もなく、新規参入がきわめて難しい。
日本でベンチャーが育たない理由というのは、まさにこのような、フェアでない市場環境が放置され既得権者と同じ土俵にすら乗れない点にあるのだ、と実感した次第である。
もちろん弊社の編集方針はジャーナリズム絶対主義ともいうべきもので、タブーは作らない。
ドコモに対する報道を減らすどころか、むしろ配信拒否を「勲章」ととらえている。
なお活発に報道していきたいので、皆様からの情報提供をお待ちしている。
imodeがこのように、きわめて恣意的な検閲を受けた情報しか流れない大本営発表的なインフラであることを、どれだけの人がご存知だろうか。
このように巧妙に情報操作されているのが日本の大手メディアの実態であり、それは記者クラブ制度による新聞テレビの情報統制に限らず、ケータイという新しいメディアも含めた、日本全体の特徴なのである。
まだ理解していない人がいたら、メディアリテラシーの観点から、本当の情報がどこに流れているのか、なぜ既存メディアが信用できないのか、ぜひ教えてあげてほしい。
runより:珍しく会員だけに全文公開ではないですね。
相当お怒りの様子です、まぁ当然ですね(o´・ω・)´-ω-)ウン