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抜け毛を呼び毒性を残留させる「合成シャンプー」
19:32 05/25 2004
山中登志子
髪のうすさ、白髪、フケに悩んでいる人が増えている。原因はシャンプーの疑いが強い。ラックス、ダブ、メリット、植物物語、エッセンシャルなどを愛用している人は要注意だ。
テレビCMで流れているシャンプーのほとんどが合成界面活性剤入り商品である(以下、合成シャンプー)。
女性たちの「みんなの口コミサイト」@コスメの「シャンプー・リンス」の上位も合成シャンプーであり(2004年5月25日現在)、23位に石けんシャンプー「ナチュロンシャンプー」(太陽油脂)が出ているていどだ。
水と油を混ぜる界面活性剤(イオンの性質のよって陰イオン系、陽イオン系、両イオン系、非イオン系に分類される)のうち、脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウムは「石けん」、それ以外は「合成界面活性剤」である。
いわゆる「合成洗剤」とは合成界面活性剤を使った洗(浄)剤のこと。
そして、市場を占有しているヘアケア商品(シャンプー、コンディショナー、リンス)の主成分は合成界面活性剤である。
合成シャンプーは合成界面活性剤20%から40%の水溶液である。
これに着色料、酸化防止剤、香料などが添加されている。
洗うものが髪であること以外、台所用合成洗剤との違いといえば感触と香りとイメージだろう。原液濃度は約20万ppm(ppmは100万分率のこと。
1ppmは25メートルプール約400tに液400CCを入れた濃度)にもなる。
花王「メリットシャンプー」。
メリットは医薬部外品なので、全成分は表示医務はない。
指定表示成分のみでよい。
オキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩と塩化ベンザルコニウムは合成界面活性剤。
安息香酸塩は酸化防止剤・殺菌剤(フケ防止)・髪柔軟剤、帯電防止剤。青色1号、黄色1号はタール色素。ジンクピリチオン(ピリチオ亜鉛)は殺菌防腐剤・防かび剤。
「フケ、カユミの防止」は化粧品でも表現できる。
だったらなぜ、医薬部外品なのか。
他に何か成分が入っているのだろうか。
■走査電子顕微鏡による観察
日本人の健康な髪の太さは100ミクロン前後で、成長期と休止期がある髪は毎日60から70本程度抜けている。
抜け毛のなかに根元のふくらみがまったくない10cm未満の短毛が3分の1以上あれば、脱毛の恐れありとされる。
頭皮が合成界面活性剤の影響を受け続けるとどうなるか。
合成シャンプー利用者と石けんシャンプー利用者の髪を走査電子顕微鏡で観察した坂下栄さん(医学博士)による実験結果がある(1986年、三重大学医学部)。
頭髪のサンプル(試料)は≒ャシャンプー使用者9人、石けんシャンプー使用者8人。各
自任意に10本前後抜いてもらい、採集したものを(1)毛根部をつけて約8mm(ミリメートル)の長さ、(2)毛根部から5センチメートル離れた高さの部分を約8mmの長さ、(3)尖端部分約8mmの長さ、以上を切り出して顕微鏡で観察した。
それぞれの毛の太さを比較したものが以下になる。
【毛の太さ平均】 100ミクロン=0・1mm(ミリメートル)
尖端部をのぞいて観察可能な各々の毛の上端部、基部を各人約20ヶ所を計って平均したもの。
■合成シャンプー=平均87.3ミクロン
(平均太さ:シャンプー回数)
Aさん 94ミクロン:毎日
Bさん 86ミクロン:毎日
Cさん 87ミクロン:毎日
Dさん 84ミクロン:毎日
Eさん 87ミクロン:毎日
Fさん 86ミクロン:毎日
Gさん 97ミクロン:1日おき
Hさん 72ミクロン:毎日
Iさん 93ミクロン:毎日
■石けんシャンプー=平均109.6ミクロン
Jさん 106ミクロン:石けんに切り替え後2カ月、毎日
Kさん 100ミクロン:石けんに切り替え後5年、5日に1回
Lさん 110ミクロン:生後ずっと(8歳)、1日おき
Mさん 109ミクロン:7-10日に1回
Nさん 115ミクロン:毎日
Oさん 115ミクロン:3日1回
Pさん 109ミクロン:5日1回
Qさん 113ミクロン:3日1回
(『シャンプーはやっぱり石けんで!!』企画編集:生活クラブ連合会より)
合成シャンプー使用者のキューティクル(髪の表面を覆っているうろこ状の角質)はボロボロに壊れ、髪そのものを傷めている。
また、洗髪の多さも髪のトラブルの原因ともなっている。
髪も頭皮も角質(たんぱく質)の壁で覆われている。
合成シャンプーには合成界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム(アルキル硫酸塩、陰イオン系合成界面活性剤、AS)が主に使われているが、これは炭素数が12個あるアルコールである。
ASは、たんぱく質を測定する試薬に使われている化学物質でタンパク変性が強い。
つまり、髪と頭皮に結合してしまい、皮脂を必要以上に剥ぎ取るので、頭皮の角質層はスカスカになる。
その下の顆粒層に異物を入りやすくして残留毒性が簡単に浸透する結果、頭皮や毛根の脂分を取り去って毛根をもろくするといわれている。
最近ではASにかわってAE(非イオン系合成界面活性剤)の合成シャンプーも増えてきているようだが、「ASよりAEのほうが毒性が強い」と坂下さんは言う。
合成界面活性剤の特徴は、皮膚から浸入し、皮脂や各層の脂質を流失させるだけでなく、皮脂や髪のたんぱく質そのものを溶かす。
そして分解しづらく皮内に残留する。
坂下栄『合成洗剤 買わない主義使わない宣言』(メタモル出版)より。その後、新製品になるなど商品も入れ替わっている。
■シャンプーによる急性毒性比較実験
同じく坂下栄さんらによる市販シャンプー58商品の急性毒性を比較した実験(メダカの全致死時間)を紹介しよう。.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております