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シックスクール事例①
Published 2009 年 4 月 23 日
シックスクールに関する事例を紹介します。
※ネット上の情報紹介になります。
「大阪大学:新設の研究棟を閉鎖 シックスクール症候群診断で」
大阪大学は21日、豊中キャンパス(大阪府豊中市)に新設した「文系総合研究棟」を、25日から全面立ち入り禁止とすることを決めた。
今月から本格利用を始めたばかりだが、棟内で働く職員ら2人がシックハウス症候群と診断され、気分不良を訴える学生も相次いだため。
大学側は「想定外の事態だ」と困惑している。
(略)3月中旬ごろ、高等司法研究科の女性職員ら2人が「部屋に入ると違和感がある」などと体調不良を訴えた。
阪大は棟内の空気を分析し、健康被害をもたらすおそれがある揮発性有機化合物の濃度を測ったが、値が低かったため、そのまま様子を見た。
しかし症状はおさまらず、今月中旬には2人とも病院でシックハウス症候群と診断された。
さらに今月から授業に使い始めると、学生数人も頭痛や鼻水などを訴えた。
このため阪大は「学生の安全を優先したい」として18日、学生に電子メールを送るなどし、棟内にはできる限り立ち入らないよう呼び掛けた。
やむなく入る場合は、空調での換気を24時間行い、窓を開放するように注意した。
さらに21日には、25日からの正式な立ち入り禁止を決めた。予
定されていた授業は他の建物に分散して行い、教員室は他の建物に移すなどしている。
立ち入り禁止の期間は未定で、阪大は「原因が判明して除去できるまで建物を閉鎖する」と話している。
情報:(MSN毎日インタラクティブ)
この事例では、どのような化学物質がシックハウス、シックスクールの原因であったか、という情報が開示されていないそうです。
しかし、ガイドラインの設定されている化学物質濃度は低かった、という事実に注目する必要があると思います。
現在使用される建材は、ホルムアルデヒドの放散量が少ないF☆☆☆☆建材か、最近需要の増えている自然素材でしょう。
大阪大学の工事でも、F☆☆☆☆建材が使用されたはずです。
F☆☆☆☆建材とは、“ホルムアルデヒドの放散量が定められた数値を下回っている”、“クロルピリホスが含まれていない”建材であり、それ以外の揮発性有機化合物の含有量や放散量に対する規制は含まれていません。
また、厚生労働省の定める指定13物質
・ホルムアルデヒド
・トルエン
・キシレン
・パラジクロロベンゼン
・エチルベンゼン
・スチレン
・クロルピリホス
・フタル酸ジ-n-ブチル
・テトラデガン
・フタル酸ジ-2-エチルヘキシル
・ダイアジノン
・アセトアルデヒド
・フェノルカルブ
の放散量がガイドラインを上回らないようにするため、上記以外の代替化学物質を使用している建材が増えてきています。
その結果が、「原因物質の特定できないシックハウス症候群症状」に繋がっているのです。
ケミレスセミナーの項でもご紹介したとおり、“原因物質が分からなければ、的確な対処ができない”のです。
現にご紹介した上記事例では、
「阪大は棟内の空気を分析し、健康被害をもたらすおそれがある揮発性有機化合物の濃度を測ったが、値が低かったため、そのまま様子を見た。
しかし症状はおさまらず、今月中旬には2人とも病院でシックハウス症候群と診断された。さらに今月から授業に使い始めると、学生数人も頭痛や鼻水などを訴えた。」
という結果になっています。
大学でさえこの結果なのです。
“F☆☆☆☆建材=安全な建材”
“F☆☆☆☆建材を使用していますので、心配ありません!!”
このような謳い文句にはご用心!
適切な換気の必要性やVOCを含まない建材の採用、VOCを低減する建材の採用など、様々な対策を検討することをお奨めします。
シックハウス問題、シックスクール問題は、子供や私たちの健康に深く関わります。
より多くの人が強く意識していただければと思います。