-2:「ただの疲れ」は勘違い 日常生活困難になる慢性疲労症候群 | 化学物質過敏症 runのブログ

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筋力低下で家事できず…「病気じゃないのになぜ」

 29歳で結婚。

仕事は32歳で辞めたが、やがて筋力低下で家事ができなくなった。

夫から「一日中寝転んでるのになぜできない」と言われ、けんかが絶えなかった。

追い打ちをかけるように、医者から突如「パニック障害ではなかった」と告げられ、診療を打ち切られた。

「病気じゃないのに、なぜこんな状態なんだろう」。自分を責めるようになった。


「ただの疲れ」は勘違い 日常生活困難になる慢性疲労症候群…医者も理解足らず、啓発活動進む


2016.6.21 07:22
 22年の冬。

知人からCFSのことを聞き、専門医のいる大阪市立大医学部付属病院を受診。「典型的なCFS」と診断された。

「やっと病気だと認められた」。

自分を責めなくていいことがうれしかった。
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 だが同時に、新たな苦悩も生まれた。

もっと早く診断されていたら、病気の進行を食い止め、今でも歩けたかもしれない。

パートでなら働けたかもしれない。

「悔しい」。

運命を受け入れるのに時間がかかった。


患者だからこそと啓発活動

 活動を始めたのは診断から1年後。

「社会のために自分だからできることをしよう」。

患者の支援を求める請願書を兵庫県議会と西宮市議会に提出。

両議会で請願書が採択された。

 また、病気について理解を求める啓発ポスターを作って飲食店などに配布する一方、5月には出身地の枚方市でラジオ出演。

CFSの疑いがある場合には専門医を受診するよう呼びかけ、患者の家族らにも理解を求めている。

 活動は体力を大きく消耗する。

それでも、「今を一生懸命生きたい。

今はできることも、来年にはできなくなるかもしれないから」。

細い体で踏ん張る傍らには、今では「一番の理解者」として妻を支える夫の姿がある。


「ただ疲れ」ではなく、脳機能の異常の可能性

 CFSは約30年前に米国で報告された病気で、専門医が少ない。

病気への誤った認識も根強く、CFS研究の第一人者で大阪市立大医学部付属病院・疲労クリニカルセンターの医師、倉恒(くらつね)弘彦・関西福祉科学大教授は「患者は周囲の誤解に苦しむばかりか、十分な診療も受けられずにいる」と指摘する。

 ある日突然、激しい全身倦怠(けんたい)感に襲われた後、半年以上にわたって、疲労感や頭痛、筋肉痛、思考力の低下といった症状が続く。

「病名から『ただ、疲れを強く訴えているだけ』と思われがちだが、脳機能の異常が関わる病気」だ。

 発症のきっかけはインフルエンザなどの感染症、過重労働、精神的ストレスなどさまざま。

これらが免疫に変調をきたし、脳神経系の炎症に繋がるとみられる。

患者には免疫力を高める漢方薬やビタミンCなどのサプリメントを処方するが、「社会復帰できる人が20%。介助が必要なほど重症化する人が25%。55%は良くなったり悪くなったりを繰り返す」という。


「ただの疲れ」は勘違い 日常生活困難になる慢性疲労症候群…医者も理解足らず、啓発活動進む


「医者でさえ病気理解していないこと多い」病気
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 平成11年に行われた調査では、回答者の0・3%がCFSの診断基準を満たしていた。

現在の人口に当てはめると約38万人もの患者がいることになるが、「医者でさえ病気を理解していないことが多い」。
患者が異常を訴えても、検査に異常がないことから「病気ではない」と帰されるケースが少なくない。

倉恒教授のもとには、そうして“放置”された患者がインターネットなどでCFSを知って訪れる。

 中には北海道や沖縄から泊まりがけで通院する患者もいるといい、倉恒教授は「全国各地で診療できる態勢を整えることが喫緊の課題だ」と話している。