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環境看護学創設への提言― 変貌する病への看護学からの挑戦
村瀬 智子
科学技術の発展は数々の文化・文明を生み出し、それに伴い、私達の生活環境も急速に多様化し、変化してきた。
その結果として、不眠や頭痛、免疫力低下による感染症罹患率の増加、化学物質や電磁波などの環境因子による過敏症の発症など広範囲に影響が及んでいる。
しかし、環境因子の心身への影響については、いまだ全貌は明らかになっていない。
また、多くの人は、日常的に体調不調を訴えながら、新たな病に罹患している事自体に気づくことなく日々の生活を送り、その病の原因がありふれた環境因子であることを疑うことすらしない。
その理由は、それぞれの人を取り巻く環境が、あまりにも個別的なために、病気の発症と環境因子との因果関係を特定することが困難なためである。
このような現代社会の状況においては、病と環境との関係を一元論的視点から捉え直し、私達の日常生活における心身の異変の原因を探る取り組みが必要なのではないだろうか。
本総説では、そうした取り組みの一環として、環境の生体影響によって生じる汚染環境適応病の捉え方について構造主義の視点から考察した前報に続き、汚染環境適応病をもつ人への援助方法を確立していくために環境看護学創設を提言したい。
2013-12-31
日本臨床環境医学会
本文データは学協会の許諾に基づき学会ホームページから複製したものである
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日本臨床環境医学会